あぎとろのガジェットBLOG

ガジェットのレビューブログです

【final VR3000 for Gaming レビュー】異次元の定位・FPSに向いたフラットな音質傾向、勝つための条件が全て揃ったゲーミングイヤホン。

f:id:agitoro:20210607204512j:plain

どうも、あぎとろです。

今回はfinalから2020年11月27日より日本で発売されている有線・ゲーミングイヤホン「final VR3000 for Gaming」のレビューをしていきたいと思います。

 

ファーストインプレッション

final VR3000 for Gamingは音響メーカーとして評価の高い『final』が制作したゲーミングイヤホンです。

公式HPでの触れ込みをまとめると、『バイノーラルサウンド技術による3D音響空間での、音の『方向感』の再現性を高める音質設計がされており、ゲームやVRコンテンツなどの製作者の意図通りに音の方向や音響空間イメージを感じることが出来る』らしいです。

FPSゲーム、ASMR、VRでの使用に適した特性を持っているため、僕はFPSゲームでの使用を目的にこの商品を購入しました。

音質傾向はフラット。音質はクリアで解像度が高く分離感が良いです。また、音場が広く定位が良いです。

製品単体で使用するよりも、USB DACを通して使用した方がよりクリアに聴こえます。

ケーブル込みの重量・本体のみの重量共に軽量で、角張った形状の印象とは違って、装着感はかなり良いです。長時間装着しても耳疲れしません。また、イヤーチップのサイズバリエーションが豊富なので、自分にあったものを選ぶことが出来ます。

ケーブルは取り外しが出来ず、音質変更・断線時のためにケーブルを取り替えたりは出来ない点は気になります。

マイク音質は良くないですが、リモコンマイクが付属しているので携帯端末やPS4、Nintendo Switchでのボイスチャットも可能です。

価格も1万円以内と手頃で、本体も含めて、付属するイヤーフック、イヤーチップ、キャリングポーチ全てのビルドクオリティが高く、良くあるシリコン素材のバリ等も見られません。安心して購入できる品質であると言えます。

FPSゲーム『ApexLegends』やASMR、音楽等で実際に使用した感想も纏めてありますので最後まで読んでいただければ幸いです。

商品仕様とスペック

製品名 VR3000 for Gaming
メーカー・ブランド final
製品種別 イヤフォン、カナル型
カラー(コーティング) マットブラック
筐体 ABS樹脂
周波数特性 非公表
インピーダンス 18 Ω
感度 101 dB / mW
ドライバー、ドライバーサイズ ダイナミック型 f-Core DU 6mmφ
ケーブル、コード長 OFCケーブル、1.2m
重量(実測値) 20g(18.81g)
接続方式 3.5mm 端子(L字)
リモコンマイク 有り
リケーブル機能 無し
接続方式 3.5mm 端子(L字)
保証 2年間
発売日 2020年10月27日
価格(2021年6月7日Amazon価格) 7,980円

パッケージと内容物

パッケージ

f:id:agitoro:20210607204521j:plain
f:id:agitoro:20210607204525j:plain

パッケージは非常にシンプル。

内容物

f:id:agitoro:20210607204529j:plain

  • VR3000 for Gaming本体
  • イヤーチップ(SS/S/M/L/LL)
  • イヤーフック
  • キャリングポーチ
  • 取扱説明書

付属品

キャリングポーチ

f:id:agitoro:20210607204640j:plain

布製です。結構いい素材が使われていて、縫い目も割と丁寧に縫われています。持ち運んだり保管する時に入れておく分には十分な出来です。

イヤーフック
f:id:agitoro:20210607204628j:plain
f:id:agitoro:20210607204636j:plain

VR3000は所謂『耳掛け、SHURE掛け』と呼ばれる装着方法が推奨されており、付属品としてそれを補助・タッチノイズの軽減を目的としたイヤーフックが同梱されています。

実際に使用してみても、耳の裏でケーブルが擦れることが無くなったのでタッチノイズは軽減されていました。

ただし、メガネを着用している場合は実際"ツル"の部分にケーブルを掛けることが出来るので、同じような効果を得ることが出来ます。そのような掛け方をする場合は恩恵は薄いでしょう。

f:id:agitoro:20210607204632j:plain

両端にはクリップがついており、一度ケーブルに取り付けるとズレないようになっています。

イヤーチップ

f:id:agitoro:20210607204650j:plain

5サイズのチップセットが付属しています。サイズの内訳は『SS / S / M / L / LL』。

1サイズごとに色分けされており、隣同士の僅かなサイズ差でも見分けがつきやすくなる様に工夫されています。

セットアップ

3.5mm端子を、端末に差し込むだけです。

僕は直差しに加えて、『Creative Sound Blaster X3』に接続して使ってみました。

性能と使用感

外観

f:id:agitoro:20210607204541j:plain
f:id:agitoro:20210607204546j:plain

筐体の素材はABS樹脂が採用されており、剛性が高く非常に軽いです。外側はマットな仕上げになっておりシックな印象です。

f:id:agitoro:20210607204550j:plain
f:id:agitoro:20210607204553j:plain

外側から見ると角張ったデザインですが、耳に触れる内部はエッジが丸められており、装着していて痛いということは有りません。

 

リモコンマイク

f:id:agitoro:20210607204604j:plain
f:id:agitoro:20210607204608j:plain

右のケーブルにマイク付きのリモコンが付いています。表面に音量調節ボタン、再生/停止/通話ボタン。裏面にマイクが配置されています。

スマートフォンで利用する場合は、上下のボタンで音量の上げ下げ、真ん中のボタンで再生/停止や通話に出る事ができます。また、真ん中のボタンを長押しするとiPhoneの場合音声アシスタントのSiriが起動します。

iPhoneで録音して聴いてみましたが、音質は良くはないですが、スマートフォンでゲームしててその流れでボイスチャットするのであれば、許容範囲可と思います。

PCで利用するのであれば、別にUSBマイクなりを購入して使ったほうが良いと思います。また、PCではリモコンマイクを操作すると意味がないどころか、かなり大きなノイズが発生します。

装着感

f:id:agitoro:20210607204644j:plain

かなり良いです。装着時に筐体の外側にエアーポケットが出来るように設計されており、耳の内側から外側に対して圧力を掛けない設計になっている為、長時間装着していても全く痛くなりません。

本体重量もかなり軽量なので、耳穴への負担も極小です。

ケーブルを耳に掛ける装着方法だと画像の通りで、この装着方法の方が耳から外れる心配がないので安心です。付属のイヤーフックを利用すると安定しますが、無くても問題ないです。

遮音性

イヤホン自体の密閉性が低いので遮音性は良くないです。ある程度の音量(iPhoneだと50%くらい)で音楽を流していても、PCのスピーカーから流れる普段遣いのレベルの音量が貫通してきます。

音が流れていないと殆どそのまま外の音が聴こえます。

装着感とのトレードオフの部分が大きいので、僕的には全く気にならないです。

ケーブル

f:id:agitoro:20210607204612j:plain
f:id:agitoro:20210607204620j:plain
f:id:agitoro:20210607204625j:plain

ケーブル内部はOFC(無酸素銅)となっていて、ケーブルの素材としては一般的なものが採用されています。周囲はビニールになっていて、柔らかく軽いです。

ケーブル二股部分にはケーブルをまとめるスライダーが付いています。

f:id:agitoro:20210607204616j:plain

マイクを含む3.5mm端子はL字となっていて、扱い易く好印象です。

重量測定

f:id:agitoro:20210607204533j:plain
f:id:agitoro:20210607204538j:plain

ケーブル込みの重量は公式では20g。実測値は18.81g

筐体のみの重量は実測値で3.25g。

ビルドクオリティ

全体的に見てビルドクオリティは高いです。本体はABS樹脂が素材が採用されており、外側はマットな表面仕上になっていて落ち着いたデザインになっています。

付属するイヤーチップ、イヤーフック、キャリングポーチはどれも品質が高く、良くあるシリコンのバリ等も残っていないので安心して購入出来ます。

サウンド

音質傾向

高音・中音・低音がバランス良く鳴る、フラットな調整です。

FPSでは銃声や爆発音が多いので、低音強調されたイヤホンより、フラットな方が足音が聞き取りやすいです。

ゲーミングと名の付くものの殆どが低音域を強調したものですが、本製品はゲームの製作者の意図を正確に使用者に伝えることをテーマに制作されているらしく、まさしくその通りの出来です。

解像度

そのままでもそこそこ高い印象ですが、USB DACを通すことでかなり改善します。

FPSゲームで必要な分は十分に確保出来ていて、分離感も有るため、細かい音も聴き分けられます。

音場

音場はイヤホンとしてはかなり広いです。

定位

かなり良いです。今まで経験したオーディオ・ゲーミングデバイスメーカーから発売されているイヤホン、ヘッドホンを見渡しても異次元。

所持している、していたヘッドフォン・イヤフォン:ATH-M50x、DT990PRO、AKG710、BlackShark V2、GAME ZERO、GAME ONE、SE215、TF10 Pro

総評

f:id:agitoro:20210607204654j:plain

オーディオメーカーであるfinalが本気で作ったVR・ゲーム・ASMR向けのイヤフォンということでかなり期待して購入した『VR3000 for Gaming』ですが、筆者的には大大大満足の買い物となりました。

音場も含めて定位の良さは正に異常です。FPSプレイヤーから見てこれはかなりのストロングポイントとなるのではないでしょうか。

音質傾向もフラットでFPSゲームでは度々爆発音として使われる低音域が強調されないため、情報として必要な足音等の情報が潰れず聴き取れます。

筆者はApexLegendsをよくプレイしているのですが、20mくらい離れていてもハッキリとした定位で、足音はもちろん、回復音や敵がアイテムボックスからアイテムを抜いている音が聴こえるのは驚きました。

また、ASMR等の立体音響への対応も素晴らしく、音声の入力者の意図が正確に伝わってきて非常に心地よく聴かせてくれます。

弱点である、そこそこな解像度も、USB DACである『Sound Blaster X3』との併用で明確な改善を感じられる点も良かったです。接続条件はただ繋げただけで、イコライザー等の機能は一切使用していません。

そもそも、解像度自体はFPSで利用する上では全く問題ない水準に達しているので、iPhone等の携帯端末でプレイする場合も問題にはならないです。

付け心地はかなりよく、本体重量もかなり軽いので長時間装着していても全く疲れないです。5サイズのイヤーチップの付属でフィット幅も広く非常に優秀です。

付け心地を良さのトレードオフとして遮音性は低いです。

 

マイクはお粗末な出来で、携帯端末で利用するのでギリギリという感じです。PCでは本体に接続するとマイクにホワイトノイズが乗りまくるし音質は良くないので、ボイスチャット等で利用するのであれば、別にUSBマイクなりを用意したほうが良いです。

また、ケーブルは着脱不可能な仕様でリケーブルすることが出来ないのが残念な点です。断線には気をつけたほうが良さそうです。

製品仕様的に価格は高めなのかなと感じますが、使用感と合わせて考えたときにパフォーマンスと釣り合っているというのが僕の評価です。

総合的に見て、携帯端末やPCでFPSをプレイする場合、性能・コストパフォーマンスの面では良好なゲーミングイヤフォンです。友人が定位の良いイヤフォンを探しているのであれば自身を持っておすすめ出来ます。USB DACがあると更に性能を引き出せます。

良いところ
  • 広い音場、異次元の定位感
  • FPS向けのフラットでクリアな音
  • スマートフォンならリモコンマイクによる音量調節・再生/停止/通話が可能
  • 付属品を含めた製品のクオリティが高い
悪いところ
  • マイク音質が悪い、ノイズ多め
  • 最大の性能を引き出すにはUSB DACがあったほうが良い
  • 人によっては音楽を聴くには詰まらない調整
今回はfinal VR3000 for Gamingのレビューをしてみました。気になったという方は、商品リンクから購入していただけると嬉しいです。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
▼今回レビューした「final VR3000 for Gaming」