どうも、あぎとろです。
今回はPulsar Gaming Gearsから2021年5月17日より日本で発売されている右手用・非対称のゲーミングマウス「Pulsar Xlite」のレビューをしていきたいと思います。
ファーストインプレッション
商品仕様とスペック
製品名 | Xlite |
メーカー・ブランド | Pulsar Gaming Gears |
本体デザイン | 右手用、左右非対称デザイン |
カラー | ブラック / ホワイト |
材質 | ABS Composite |
メインスイッチ・ボタンの耐久性 | OMRON MECHANICAL / 2000万回 |
センサー | PixArt PAW3370 |
IPS | 400 |
最大加速度 | 50G |
DPI | 50~20000 |
ポーリングレート | 125 / 250 / 500 / 1000 Hz |
オンボードメモリ | あり / 32bit ARM |
リフトオフディスタンス | 1.0~1.1mm(Low設定時) |
ボタン数 | 5(メイン×2、ホイールクリック、サイド×2) |
ケーブル | Super Flexible パラコードケーブル |
マウスソール | Pure Virgin PTFE ソール |
ソフトウェア | Pulsar Xlite(専用ソフトウェア) |
ライティング | なし |
長さ×幅×高さ | 122.66 × 66.17(グリップ幅:60) × 42mm |
重量(実測値) | 48.85g(49.99g) |
接続方式 | USB 2.0 / 3.0 |
保証 | 2年間 |
発売日 | 2021年5月17日 |
価格(2021年7月15日Amazon調べ) |
マウス単品:5,980円 マウスバンジー&グリップテープセット:6,490円 |
パッケージと内容物
パッケージ
デザインのセンスが良い!外箱も内箱も厚い紙で頑丈な素材です。
内箱もセンス良い。
開封後、内容物全てを展開するとこんな感じです。
付属品でも詳しく見ていきますが、全体的にデザインセンス良いですね。
ここ最近のゲーミングマウス等のパッケージングはエコに向けて進んでいて、簡略化されているものが殆どなので、久しく忘れていた「良いものを手に入れた!」っていう感動みたいなもんが少しあります。
内容物
- Xlite
- 予備ソール
- グリップテープ
- マウスバンジー
- 取扱説明書&ステッカー
予備ソール
本体に貼り付けられているものと同じソールが付属しています。
最近では予備ソールが付属しているものが増えてきましたが、そうでない製品もまだまだ多いです。
僕の場合はデバイスレビュアーという立場上、ソールを張り替えるほど一つのマウスを使い込むことは少ないのですが、予備があるに越したことはないですよね。間違いなく製品に対する満足度の向上には繋がります。
取扱説明書
普段は取扱説明書などはレビューでは取り扱わないのですが、デザインが非常に良く感心したので画像にて掲載しました。
図解による解説で十分理解できる内容です。マウスの機能解説に加え、セットを購入するなら付属しているグリップテープとマウスバンジーのセッティング方法も記載されています。
ステッカー
グリップテープ
専用のグリップテープです。
成形の精度が高く、実際に貼り付けてみてもはみ出たり歪んだりはしません。
貼り付けるとこんな感じになります。
貼り付けない場合に比べて、多少ゴミがつきやすくなりますが、グリップ力が大幅に強化されます。
マウスバンジー
別売りもされていて、非常に優秀な簡易的なマウスバンジーです。
取り付け部分はプラスチック、筒状のパーツはシリコンで出来ています。
取り付け部分を付属している両面テープで好きな所に貼り付け、ケーブルに筒状のパーツをケーブルに取り付けてから、筒状のパーツを取り付け部分へ通せばセッティング完了です。
そんな構造で大丈夫なのかと心配になりそうですが、これが物凄く良く出来ています。マウスバンジー単体でも販売されていて、結構ヒットしていて売れているんじゃないでしょうか。
筒状のパーツの根本は返しが付いていて、一度差し込むとパーツをしっかり掴んで引き抜かないと抜けず、ケーブルをブンブン振り回しても力をシリコンパーツがうまく逃していてちゃんと固定されるんです。
パーツを掴んで引き抜くと簡単に抜けるので、取り回しもよく、個人的に目からうろこの製品です。
モニターの下やマイクアーム等に取り付ければ、通常の卓上マウスバンジーを設置することが出来ないような場所でも設置することが出来ます。
セットアップ
Xlite公式HPのソフトウェアダウンロードページに移動して、専用ソフトウェアをダウンロードしてください。
ダウンロードページ:https://www.pulsar.gg/pages/download-xlite
ダウンロード時とインストール時にWindowsのセキュリティで止められますが、僕の環境ではインストールしても問題なかったです。
一応、自己責任でお願いします。
あとはUSBポートに接続するだけで完了です。
性能と使用感
外観と大きさ
大きさは最長部の計測で「122.66 × 66.17 × 42mm」。グリップ幅は一番狭い所で60mm。ホイールの真横からのメインボタンの高さは33mm。
縦やグリップ幅だけで見れば標準的な中型のマウスに分類されます。
所謂、EC2クローンとされている形状で、エルゴノミクスデザインを用いた成形が行われています。
形状としての大きな特徴は、上から見ると中央あたりから左右に広がっていて、左は内側へ、右は外側へ湾曲しているところです。
また、前から見るとマウス前側は逆台形になっており、薬指を伸ばす持ち方だとリフトオフがしやすい形状になっています。ただし、マウス右の後ろ側は外へ向かって湾曲しているので、薬指を曲げてマウス後端に指を立てる持ち方をすると若干窮屈でリフトオフしにくい形状になっています。
マウスの後端は切り上げられておらず、広がるように落ちる形状をしています。
底面を見てみるとシェルがほとんど取り除かれている状態になっていて、内部の基盤が露出しています。
重量測定
公称では48.85g。実測値は49.99g。
実測値は公称より重い結果になりました。誤差の範囲内かと思います。
グリップテープを全て貼り付けると、53.17gになりました。
近い重量でいうとMM720等が挙げられますが、かなり特殊な形でサイズ自体も小さいですからね。
このEC2クローンのサイズ感でこの重量は凄まじいですね。
スイッチ
メインクリック
メインスイッチは"OMRON 20M"が搭載されています。クリック耐久は2000万回。
個体差かもしれませんが、右と左でクリックの重さが若干違います。僕の個体では右のほうが僅かに軽かったです。
左右均等でないと嫌だと言う人は少し注意が必要かもしれません。
エルゴノミクスデザインということで、右側が落ちていて被せた手の重心がマウス外側に傾いているという前提において調整されていると思うので、これは仕様だと思うんですよね。
個人的に右クリックにあまり力を使いたくないので嬉しいです。
動作音は高めの音で「カチッ」と鳴り、音量は普通です。
ホイール
ホイールのボディーから出てる部分が少ないので人を選ぶ可能性があります。
手の小さな人が浅めに持つと指が届かないかもしれません。
画像では貼っていませんが、メインスイッチ部分にグリップテープを貼ると更に露出部分が減るので注意しましょう。
ラバー部分は間隔が狭い直線のテクスチャーが入っていて、ラバー自体も少し柔らかめの素材なので軽く指の重みだけでグリップして操作がしやすいです。
スクロールはスムーズでノッチ感は薄いですが、操作に対するフィードバックとしては十分だと感じました。単入力と連続入力の両方がやりやすいです。
動作音は大きく回して素早く連続入力したときにだけ「ジッ」と小さく鳴るだけで、それ以外はほぼ無音です。
ホイールクリックは硬さは普通程度で、返りも早く連続入力もしやすいです。
入力時に「カチッ」と小さな音がします。
ボディーからの露出の少なさを除けば、個人的には好印象なホイールです。
サイドボタン
センサー
センサーは"PixArt PAW3370"が搭載されています。
現在、市場では主流になって来ている最新の高性能センサーです。スペックでは最高峰に位置しています。文句なしです。
DPIは専用ソフトウェアで50~20000まで50刻みで設定出来ます。
ただ、XliteではDPI変更ボタンが搭載されていないので、専用ソフトウェアを介してしかDPIの変更をすることができません。
工場出荷時のDPIは1200に設定されています。
MouseTester
"MouseTester"でxCountとxSumを計測して、センサーが正確に動作しているかをチェックしてみました。
マウスパッドは『FnaticGear DASH L』を使用。
ポーリングレートは1000Hzで計測しているので、点1個につき1000分の1秒です。
ですから、大量の点がラインから外れていることがなければ基本的には問題ありません。
xCount ・・・ グラフ縦軸はX軸での移動量。グラフ横軸は時間。
xSum ・・・ グラフ縦軸はX軸での移動量の合計。横軸は時間。
トラッキング性能に異常があれば、xCountでは移動方向とは逆側に点が出ます。xSumではラインに歪みが出ます。
xCount
400 / 800
1600 / 3200
xSum
400 / 800
1600 / 3200
センサーの精度は良好です。
LOD(リフトオフディスタンス)
LoDが短ければ良いという評価基準の元判断すると、優秀なもので0.8mmから1mm。1.5mm当たりで普通となります。
シックネスゲージを使用して、ソールからマウスパッドまでの距離をセンサーが反応しなくなる値を計測しました。
マウスパッドは『FnaticGear DASH L』を使用。
計測の結果は設定『Low』で1.1mm以下でした。
この数値は、現行の主要なゲーミングマウスの中では非常に優秀なLoDです。
LoD ・・・ Lift off distanceの略。マウスを持ち上げて、センサーが反応しなくなるまでの距離。
ソール
ソールは"PTFE"。なめらかな滑りが特徴です。
先端・センサー周り・後端に配置されています。
エッジがしっかり丸められておりどの方向にもスムーズに滑ります。
ケーブル
"Super Flexible パラコードケーブル"が採用されています。
少し硬めですが、摩擦係数が少なく軽いです。
握り方
結論から言うと、僕的には「かぶせ持ち」「つかみ持ち」と相性が良いです。約50gという超軽量なボディのお陰で「つまみ持ち」での指先での操作でも疲れませんが、想定された持ち方ではなさそうです。
全ての持ち方でグリップテープのフル装備をオススメしてます。
このページに僕の手の大きさを記載している為、その数値を参考に記事を読むことをお勧めします。
かぶせ持ち
相性はかなり良いです。
中、大サイズの手なら、よっぽど浅く持たない限りは、ホイールやサイドボタンに指が届きます。違和感なく運用できるでしょう。
つかみ持ち
相性は非常に良いです。
つまみ持ち
相性は悪くないですが、あえてこのマウスでやる意味は少ないです。
コーティング
ABS樹脂のコーティング無しです。
元々の素材が少し滑る上に、隅々まで一定方向に長細い穴が空いているのでより滑ります。また、指を立てたりした時に指先が引っかかったり詰まったりして、グリップ感が悪いです。
グリップテープを貼り付ければ全て解決するので、個人的には必須だと思っています。
ビルドクオリティ
スイッチ類のカタ付きは殆どありません。
底面を大胆にくり抜いている割に、かなり作りはしっかりしています。
しっかりしているとはいっても、極限まで軽量化が図られていて、穴が空いているので、思いっきり壊すつもりで指に力を入れれば割れてしまうかもしれません。
ホコリとか入るんじゃないかと心配だったのですが、しばらく使ってみてもその様子は有りませんでした。
僕の推論では、穴空きすぎて逆にホコリが貯まらないんじゃないかと思っています。
ソフトウェア"Pulsar Xlite"
ゲーミングマウスに付随するソフトウェアで出来ることは殆どできます。
プロファイルを作成して、設定を保存することは出来ますが、プログラムに紐付けるようなことは出来ないようです。
キーの割り当て
プログラム可能なスイッチに任意の機能を割り当てることが出来ます。
割り当てられる機能はこんな感じです。この中から、難しそうなものをピックアップして解説します。
Fire Key ・・・ 特定のキー入力を指定した回数ループします。
Sniper mode ・・・ 押している間、DPIを指定した値へ変更します。
DPI
DPIを設定できます。50~20000の間で50刻みで設定することが出来ます。
XliteではDPI変更ボタンが搭載されていないので、ソフトウェアを起動せずにDPIを変更したいのであれば、いずれかのキーにDPI変更を割り当てる必要があります。
パラメーター
Windowsのマウス設定や、クリックのでバウンスタイム、LoD(リフトオフディスタンス)、ポーリングレートを設定することができます。
デバウンスタイムは2~12msの間で2msごとで調節できます。デフォルトでは12msに設定されています。
LoDはLowとHighに設定できます。デフォルトではLowに設定されています。
ポーリングレートは125/250/500/1000Hzから選べます。デフォルトでは1000Hzに設定されています。
マクロ
マクロの作成・編集が行えます。
レビューしている僕のデータ
プレイしたゲーム
Apex Legends / Aim Lab / KovaaK 2.0です。
使用したマウスパッド
FnaticGear DASH L
手のスペック
ApexLegendsを実際にプレイした感想
センシ
感想
総評
Pulsar XliteはEC2クローンの中型マウスで、重量は約50gと超軽量マウスに分類され、人体工学を考慮されて作られた形状はかぶせ持ちやつかみ持ちなどの、手とマウスの設置面が多い持ち方と相性が良いです。
重量は中型マウスとしては最軽量クラスで、有線マウスとはいえ十分に軽さを体感出来ます。
かなりの軽量ボディなのに、形状のおかげで安定感もあります。FPSゲームであればゲームを選ばず活躍出来るので、非常に優秀なゲーミングマウスだと言えます。
クリック感はメインボタン・サイドボタン共に、軽く・浅く・返りが良くとても良好で、押下圧は左右でバラつきはあるものの、推奨される持ち方を考慮した結果の調整だと感じました。
また、約50gという軽量ボディともコンセプトが合致した調整がされていて、「ボディ軽いのにスイッチが硬い・重い」等の違和感が無く、ストレスが無かったのが好印象です。
搭載されているセンサーは最高峰で、DPIを50〜20000の間で調節出来ます。ただし、デフォルトのDPIが1200に設定されているのですが、DPI切り替え用のボタンが搭載されておらず、Xtrfyのマウスような単体でカスタマイズする機能も備わっていないので、切り替えたいのであればソフトウェアを必ずダウンロードする必要があります。
付属品は予備ソール。セット版を購入していれば追加でマウスバンジーとグリップテープが付属しています。
個人的に、マウスバンジーは環境によるのでなんとも言えませんが、グリップテープは欲しくなる確率が高いです。
単品と比べて価格差は僅か500円程度で、単品で別途購入も出来ますがそれよりも安く手に入るので、セット版の購入を断然オススメです。
良いところ
- 実測値で約50gの超軽量ボディー
- 高いフィット感からくる安定感
- ボタン類の押下圧が、本体のコンセプトに合致している
- 現状最高スペックのセンサー搭載
- 少し硬めだが軽く摩擦係数の低いパラコードケーブル
- セットで付属するグリップテープとマウスバンジーが便利
- クオリティに対してかなり低価格
悪いところ
- PCが無いとDPIの変更すら不可能
- グリップテープ無しだとグリップはかなり悪い
今回はPulsar Xliteのレビューをしてみました。気になったという方は、商品リンクから購入していただけると嬉しいです。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
▼今回レビューした「Pulsar Xlite」