どうも、あぎとろです。
今回はBenQ ZOWIEから2021年9月2日より日本で発売されている右手用・非対称のゲーミングマウス「BenQ ZOWIE EC3-C」のレビューをしていきたいと思います。
ファーストインプレッション
商品仕様とスペック
製品名 | EC3-C |
メーカー・ブランド | BenQ・ZOWIE |
本体デザイン | 右手用、左右非対称デザイン |
カラー | ブラック |
メインスイッチ・ボタンの耐久性 | 不明 |
センサー | PixArt PAW3360 |
IPS | 400 |
最大加速度 | 50G |
DPI | 400 / 800(デフォルト) / 1600 / 3200 |
ポーリングレート | 125 / 500 / 1000 Hz |
リフトオフディスタンス | 1.3~1.4mm(低設定時) |
ボタン数 | 5(メイン×2、ホイールクリック、サイド×2) |
ケーブル | パラコードケーブル(2m) |
マウスソール | 不明、サイズはEC1・EC2と共通 |
ソフトウェア | 無し |
ライティング | 無し |
長さ×幅×高さ | 119 × 61(グリップ幅:56) × 41mm |
重量(実測値) | 70g(74.66g) |
接続方式 | USB 2.0 / 3.0 |
保証 | 2年間 |
発売日 | 2021年9月2日 |
価格(2021年10月13日Amazon調べ) | 8,800円 |
パッケージと内容物
パッケージ
内容物
- EC3-C
- 予備ソール
- ステッカー
- 取扱説明書(兼保証書)
セットアップ
ソフトウェアも無く、USB 2.0 / 3.0のポートに差し込むのみで利用可能です。
性能と使用感
外観と大きさ
大きさは最長部の計測で「119 × 61 × 41mm」。グリップ幅は一番狭い所で56mm。ホイールの真横からのメインボタンの高さは26mm。
EC2から小型化が測られたエルゴノミクスデザインの右手用ゲーミングマウスとなります。
ECシリーズの中では「小サイズ」と分類されていますが、一般的なゲーミングマウスの基準でいうと「中サイズ」に分類される寸法です。
使用者の手の大きさは小~中サイズが適していて、メーカーとしてはかぶせ持ち・つかみ持ちでの使用を想定しているようです。
大サイズや中サイズの指が長い使用者だと持ち方が窮屈になったり、マウスのコンセプトから外れた使用法になる可能性が高いので注意が必要です。
形状的な大きな特徴は、上から見ると中央あたりから左右に広がっていて、左は内側へ、右は外側へ湾曲していて、掌をかぶせた時のフィット感が高い形状をしています。
パームレストのエッジは切り上げられておらず、徹底的に掌へのフィッティングを意識した作りになっています。
つかみ持ちをした時はこのパームレストのエッジが掌の下部に触れ安定感を高めます。
前から見るとマウス前側は逆台形になっており、薬指を伸ばす持ち方でもリフトオフがしやすい形状になっています。
マウスの後端は切り上げられておらず、広がるように落ちる形状をしています。
重量測定
公称では70g(ケーブル抜き)。実測値は74.66g。
交渉の数値はケーブル抜きの数値なので、ほぼ差は無いと言って良いでしょう。
スイッチ
メインクリック
メインボタンのマイクロスイッチは公式HPに記載が無く不明です。が、有志の分解報告から得た情報ではHUANOのブルースイッチが搭載されているようです。
クリック感は、クリックに必要な押下圧はかなり軽く、返りも弱めで遊びも少ない調整になっています。
ボタンを押し込んだ時と離した時の感触が薄いです。
動作音は「カチッ」と軽めの音が鳴り、音量は普通です。
個人的な感想にはなりますが、使い始めの頃は、離したつもりが離れておらず、その状態で押し込もうとして「あれ?!」となったり、押すつもりがない時に押してしまったりで、一時的に誤動作が増えました。
慣れると問題なく、フリック時の反応も非常に良いと感じました。
おそらく、直前までKailh GM 8.0等の入力感のはっきりした重めのスイッチが搭載されたゲーミングマウスを使用していた場合、違和感を感じるのだと思います。
押し込み幅が非常に狭く、応答性能の高さがわかります。
ホイール
24ステップの光学式ホイールが採用されています。
ラバー部分は一定間隔で突起があるものになっています。
スクロールはスムーズでノッチ感は適度で操作に対するフィードバックを損なわない程度でかつ、快適な操作感です。
動作音は大きめで、普段遣いでは少しうるさく感じますが、イヤホンやヘッドホンをしてるゲーム中であれば気にならない程度です。
ホイールクリックは硬さは普通程度で、返りも早く連続入力もしやすいです。
入力時に「カチッ」と小さな音がします。
サイドボタン
センサー
センサーは"PixArt PAW3360"が搭載されています。
若干型遅れ感はありますが、安定して十分な性能が保証されているセンサーです。
DPIは底面のボタンで400 / 800 / 1600 / 3200の中から選択出来ます。
デフォルトでは400に設定されています。
DPIを細かく操作したい人や、DPI1200を常用している人からすると敬遠する理由になるかもしれません。
MouseTester
"MouseTester"でxCountとxSumを計測して、センサーが正確に動作しているかをチェックしてみました。
- マウスパッドは『vaxee PA』を使用
- ポーリングレートは1000Hzでの計測
xCount ・・・ グラフ縦軸はX軸での移動量。グラフ横軸は時間。
xSum ・・・ グラフ縦軸はX軸での移動量の合計。横軸は時間。
トラッキング性能に異常があれば、xCountでは移動方向とは逆側に点が出ます。xSumではラインに歪みが出ます。
xCount
400 / 800
1600 / 3200
xSum
400 / 800
1600 / 3200
センサーの精度は非常に良好で、かなり正確な部類です。
LOD(リフトオフディスタンス)
LoDが短ければ良いという評価基準の元判断すると、優秀なもので0.8mmから1mm。1.5mm当たりで普通となります。
- 計測にはシックネスゲージを使用
- ソールからマウスパッドまでの距離をセンサーが反応しなくなる値を計測
- マウスパッドは『vaxee PA』を使用
- LoDの設定は『低』で計測
計測の結果は設定『低』で1.4mm以下でした。
この数値は、現行の主要なゲーミングマウスの中では普通なLoDです。
個人的にはLoDは短すぎないほうが良いので好みの数値です。
LoD ・・・ Lift off distanceの略。マウスを持ち上げて、センサーが反応しなくなるまでの距離。
ソール
ソールの材質は明記されていませんが、操作性重視の調整がされたソールの様です。
先端・センサー周り・後端に配置されていて、エッジがしっかり丸められておりどの方向にもスムーズに滑ります。
公式サイトでは滑り重視の調整がされたソールも販売されていますが、日本国内からの入手は困難です。
↑付属する予備ソール
ソールの大きさはEC1・EC2と共通で、すでに販売されている予備ソールやサードパーティの物も流用出来ますから、そちらで賄ったほうが良いでしょう。
ケーブル
"パラコードケーブル"が採用されています。
少し太いですが、軽く柔らかく摩擦係数が少ないです。
従来のZOWIEマウスで採用されていたビニールケーブルは勿論、Vaxeeのものよりも柔らかく取り回しがしやすいと感じます。
ケーブルの付け根は上方向にクイッと持ち上げられており、マウスに摩擦の影響が少なくなるように設計されています。
握り方
結論から言うと、僕的には「かぶせ持ち」「つかみ持ち」と相性が良いです。「つまみ持ち」も十分可能な大きさですが、テールがカットされていないので指先での操作で干渉する可能性はあります。
このページに僕の手の大きさを記載している為、その数値を参考に記事を読むことをお勧めします。
かぶせ持ち
相性はかなり良いです。
中サイズの手なら程々、小サイズなら高いフィット感を得られます。
つかみ持ち
相性は非常に良いです。
つまみ持ち
相性は悪くないです。クリック感やグリップ・操作性が気に入ったのであればあり。
コーティング
指紋が付きやすいコーティングですが、手が少し湿っている状態だとグリップは良好です。
手が乾燥していると少し滑ります。
個人的には十分グリップテープも必要なく運用出来ます。
ビルドクオリティ
強めにマウスを振っても全く音がしないので、スイッチ類のカタ付きはありません。
また、軋みも無いのでビルドクオリティは高いと言っていいでしょう。
カスタマイズ機能
ポーリングレートやDPIを変更するとLEDの位置や色が対応して変化するのでわかりやすいです。
操作方法
DPI変更:マウス底面の右側のボタンを押すと「400(赤)→800(紫)→1600(青)→3200(白)」と変化していき、サイクルする
ポーリングレート変更:マウス底面の左側のボタンを押すと「125→500→1000Hz」と変化していき、サイクルする
ここからの設定は「マウスをUSBポートから取り外した状態で、以下のボタンの組み合わせを押しっぱなしにした状態でUSBポートに接続する」ことで設定が完了します
リフトオフディスタンス(LoD)の変更:
低設定 → 後側のサイドボタン+左クリック
中設定 → 前側のサイドボタン+左クリック
高設定 → 後側のサイドボタン+左クリック+右クリック
クリック応答時間の変更:
高速 → 後側のサイドボタン
標準 → 前側のサイドボタン
レビューしている僕のデータ
プレイしたゲーム
Apex Legends / Aim Lab / KovaaK 2.0です。
使用したマウスパッド
vaxee PA
手のスペック
ApexLegendsを実際にプレイした感想
センシ
感想
OUTSET AXと比較して
総評
BenQ ZOWIE EC3-CはECシリーズでは最小サイズの右手用エルゴノミクスデザイン、ゲーミングマウスです。
形状はEC2クローンの中型マウスで、重量は約74.66gと軽量化されており、人体工学を考慮されて作られた形状はかぶせ持ちやつかみ持ちなどの、手とマウスの設置面が多い持ち方と相性が良いです。
個人的にはつまみ持ちでも右側の収まりが良いので十分使えるなぁという印象ですが、メーカー側の意図では無いと思います。
メカニカルの部分では、"C"となってリファインされた「パラコードケーブル」「3360センサー」「軽いメインスイッチ」が特に注目です。
パラコードケーブルは少し太いですが、軽く柔らかく摩擦抵抗の少ない良質なケーブルと言えます。
メインスイッチはかなり軽く柔らかい反発の少ないものなので、人を選ぶ可能性はありますし、硬めのスイッチに慣れている方は使い始めは誤操作も増えそうです。が、慣れれば応答性能が早く優秀なスイッチです。
3360センサーに関しては、今のゲーミングマウスとしては少し型遅れですが及第点です。価格を考えればもう少し上位のものを搭載しても良かったのではとは思います。
スペックやZOWIEの販売姿勢に関しては色々思うところはありますが、結局は形状の優秀さでユーザーをねじ伏せるのは流石の一言です。
購入者の手似合うかどうかはその人次第ですが、EC3-Cを総合的に評価すると「小さめで左右非対称形状の有線ゲーミングマウスを求めている」のであれば、非常におすすめできるゲーミングマウスです。
良いところ
- ECシリーズ最少で一番汎用的なサイズ
- 軽量で柔らかく摩擦抵抗が少ないパラコードケーブル
- 安定感のある大判のソール
- 扱いやすい重量
- 反応が良いスイッチ
- スムーズなホイールスクロール。
- 丁度良いLoDの数値
悪いところ
- センサーは3360で最低限。使用上問題無いが精度も少し甘い
- サイドボタンの形状
- 純正のソールは入手が難しい
- スペックに対して価格は高め
今回はBenQ ZOWIE EC3-Cのレビューをしてみました。気になったという方は、商品リンクから購入していただけると嬉しいです。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
▼今回レビューした「BenQ ZOWIE EC3-C」