どうも、あぎとろです。
今回はvaxeeから2021年4月16日より日本で発売されている右手用・非対称のゲーミングマウス「vaxee ZYGEN NP-01S」のレビューをしていきたいと思います。
ファーストインプレッション
vaxee ZYGEN NP-01Sは軽量な右手用・非対称デザインの有線ゲーミングマウスです。サイズは小~中型に分類されます。
初見の印象は『小さい』、持ってみて『軽い』。
NP-01Sという名の通り、前作であるNP-01を長さはそのままに、高さと幅を削ったモデルです。
高いビルドクオリティを保ちつつ、小型・軽量化が施されており、手に取れば製品としての価値を感じることができます。
センサーやクリック速度、ポーリングレート、DPIのオンザフライなどの便利な機能はそのままに、メインボタン、サイドボタン、ケーブル、ソール等の細かな部分に変更が加えられています。
また、長さを保ったまま高さと幅を削ることによって、単なる小型化ではなく、使用感はNP-01とは全く異なった握り心地になっています。
残念ながら、マウスホイールは前作から変更はありませんでした。
商品仕様とスペック
製品名 | NP-01S |
メーカー・ブランド | vaxee / ZYGEN |
本体デザイン | 右手用、非対称デザイン、平面モデル |
カラー(コーティング) | マットブラック、グロッシーホワイト |
メインスイッチ・ボタンの耐久性 | HUANO 60g |
クリック速度 | 2 / 4 / 8msから選択可能 |
マウスホイール | 光学式24ノッチホイール |
リフトオフディスタンス | Low / Mid / Highから選択可能 |
センサー | PixArt PMW3389 |
DPI(デフォルト) | 400 / 800 / 1600 / 3200 |
ボタン数 | 5(メイン×2、ホイール、サイド×2) |
ケーブル | パラコードタイプ(2m) |
マウスソール | PTFE(厚さ0.6mm) |
ソフトウェア | 無し |
長さ×幅×高さ | 120 × 62 × 36mm(グリップ幅:57mm) |
重量(実測値) | 71g(ケーブル含まず実測値:72g) |
接続方式 | USB 2.0 / 3.0 |
保証 | 1年間 |
発売日 | 2021年4月16日 |
価格(2021年4月30日公式ショップ価格) | 6,990円 |
パッケージと内容物
パッケージ




パッケージは紙でvaxeeの他のマウスと全く同じですね。外箱は非常にシンプル。
内容物
- NP-01S本体
いつも通り、本体のみで説明書すら入ってません。
性能と使用感
外観と大きさ


大きさは最長部の計測で「120× 62 × 36mm」。グリップの幅は57mm。メインボタンの高さは25mm。
部類としては小型に入るゲーミングマウスですが、手の大きさを選ばずに使えるマウスです。
上から見ると左右対称のような印象を受けますが。裏面から見ると左右非対称のシェイプが良く分かります。
中腹が内側に湾曲していて、お尻側が少し膨らんでいます。








トップシェルが平らになっていて、角度がついていないです。また、前から見ると分かる通り逆台形になっているので、グリップ時にリフトオフしやすい形状になっています。
重量測定
公式では71g。実測値は72g。
高いビルドクオリティを有しながら、重心が非常に安定している為好印象です。
スイッチ
メインクリック
メインスイッチは"HUANO60g"が搭載されています。
クリック部分はボディのコーティングとは違い、少しザラついていますが摩擦係数が低い素材が使用されています。
クリック感は良好で、軽く、浅く、返りが早いのが特徴。スペック上は前作NP-01と同じものですが、実際にクリックしてみると若干重くなっていて、メリハリのある操作感になっています。
非常にバランスの良い仕上がりになっているため、どの持ち方でも誤入力が少なく快適な操作が出来ます。
また、クリック可能範囲が広く、根元の部分以外は問題なく使用できます。
動作音は小さく静音性に優れています。


クリックがかなり浅いのが見てわかると思います。
ホイール
"光学式24ノッチホイール"が採用されています。
スクロールは軽く、ノッチ感は強めです。動作時に非常に大きな音が鳴ります。
クリックは若干硬めです。前作より固くなっています。誤入力が減少する反面、ダブルクリック等はやり辛いです。音は大きめです。
ゲーム中に気になることは無いですが、普段使いする上でかなり煩く感じます。
vaxeeのマウスの中では唯一に近い不満点の一つです。ずっとこのホイールが採用されています。
サイドボタン
位置は適切で、センサーの真上に配置されています。
小型・中型・大型のあらゆる手の大きさでも、容易にアクセス出来ます。
クリック感は硬めです。親指で操作するためプレイに支障はありませんが、エイムと平行して行う動作をバインドする気にはなれないです。「カチッ」とした明確な入力感があります。
スイッチが細長く、サイドボタン下のグリップ部分のスペースが多く取られている為、誤入力の心配をする必要はありません。
センサー
センサーは"PixArt PMW3389"が搭載されています。
裏面にあるDPI変更ボタンを押すごとに設定された4つのDPIがサイクルします。デフォルトではDPI 400 / 800 / 1600 / 3200が設定されています。
ポーリングレートやクリック速度も同様に変更することが出来ます。
MouseTester
このグラフは時間当たりのマウスのX方向への移動量を表しています。
縦軸は時間当たりに入力されたX方向への数値、横軸は時間です。
"MouseTester"でセンサーが正確に動作しているかをチェックしてみました。
今回は、SNS上で"Artizan 雷電"との組み合わせでポインター飛びが報告されていることを受けて、Artizan製の他のマウスパッドを多めでチェックしてみました。
使用したマウスパッドはArtizanから"飛燕 Soft"、"零 Soft"、"紫電改 Mid"と、"BenQ ZOWIE G-SR-SE"、"Xtrfy GP4"の計5枚。
全てDPI 800で計測して、結果としては特に問題は見られませんでした。
Artizan



BenQ Zowie、Xtrfy


LOD(リフトオフディスタンス)
Low、Mid、Highから選ぶことが出来ますが、初期設定でLowになっているので変更する必要は無いでしょう。
変更する場合は、この公式の記事を参考にしてください。
ケーブル


パラコードケーブルが採用されています。長さは2m。
この手のケーブルの中では固めで耐久性があります。
マウスバンジーから垂らして形を保つ為なのでしょうが、ローセンシな僕からすればどうやったってマウスパッドに擦れてしまいます。やはり、ケーブルは柔らかい方が良いです。
ソール


ソールは"PTFE"。なめらかな滑りが特徴です。
エッジがしっかり丸められておりどの方向にもスムーズに滑ります。
握り方
結論から言うと、どの持ち方もできる優等生。僕的には「つかみ持ち」と特に相性が良いです。
このページに僕の手の大きさを記載している為、その数値を参考に記事を読むことをお勧めします。
かぶせ持ち


相性は良いです。小~中サイズの手なら違和感なく持てます。
どの手のサイズでもサイドボタンへのアクセスに困らない持ち方です。
手が大きかったり、指が長いとグリップの方法によってはマウスパッドに触れる部位も出てくると思います。ただ、それは好みなので自分の持ち方と好みと相談しましょう。
手の大きさが中程度で指が短いか標準的、または手が小さいほど安定して持つことができます。
トップシェルの中部から後部にかけて長さと幅が維持されていて、平らになっています。そのため、手のひらをかぶせた時に、しっかりとマウスをホールドすることが出来るため安定感があります。
サイドシェルの前部は中部に比べると傾斜が弱く、広くスペースが取られているため、薬指を軽く伸ばした状態でホールドしやすいです。
また、メインクリックの左右はサイドシェルに埋め込まれているので、エッジを感じることがなく、サイドシェルの縁に指を添える持ち方にも対応しています。
マウスを前から見ると逆台形になっているので、持ち上げる動作も容易です。
テールが切り上げられているため、手のひらの後部、手首、マウスパッドの間のスペースが十分確保出来るので、前後左右のマウスコントロールがやりやすいです。
つかみ持ち


相性はかなり良いです。手のサイズを選ばず、サイドボタンへのアクセスにも問題は無く、違和感なく持てます。
小サイズの手だと、幅が広く感じるかサイドボタンへのアクセスがしづらくなる可能性があります。
従来のつかみ持ちである、テール左側に拇指球を触れさせる持ち方の他に、トップシェルの最も高い位置が後ろ側にあるものの、全体的に平面になっているので、指尖球あたりをトップシェルに押し付ける持ち方等、幅が広いのが特徴です。
サイドシェルも後部がゆるやかに膨らんでいる為、親指・薬指・小指の収まりが良いです。
また、テールのエッジが少し切り上げられている為、手根(手のひらの根本)とマウスパッドの間にスペースが生まれるため、前後のマウスコントロールがやりやすいです。
つまみ持ち


相性は悪くないです。中~大サイズの手であればサイドボタンへのアクセスにも問題はなく、ハイ〜ミドルセンシなら、違和感なく運用出来ます。
ローセンシ特有の問題点ですが、マウスの大きさ自体が小型なので、指先の可動域は確保出来るのですが、それも筆者の手持ちではM42等の左右対称の類似するサイズのマウスに比べると幅が少なく、引き込んだ時にマウス後部が拇指球に当たってしまいます。
また、サイドシェル後部の膨らみが左右で異なるので、使用中にズレて来てしまいます。どうしてもつまみ持ちで運用したい場合はグリップテープ等で補強したほうが良いかもしれません。
つまみ持ちで運用するのであれば、人によってはNP-01Sより良い選択肢があるかもしれません。
コーティング
NP-01Sはマットブラックとグロッシーホワイトのカラーリングがあります。どちらも特性が違うため自分の好みに合わせて選びましょう。
僕が購入したマットブラックは乾燥した手で触れるとサラサラとしていますが、手を洗ったり、多少手汗をかいた状態で触れると強めのグリップを感じることが出来ます。その反面、汚れが付きやすさが目立ちます。
前作NP-01はグロッシーホワイトを購入したので、その時の感想をお伝えしておきます。
乾燥した手で触れると吸い付くようにグリップ出来るのですが、手汗をかいた状態で触れるとヌルヌルしてしまうといった感じです。仕様が変更されていなければ、NP-01Sでも同じだと思います。
ビルドクオリティ
振ってみても僅かにホイールがカタ付くだけで、スイッチ類から音はしません。
強めにグリップしてみても軋まず、高い剛性を感じます。
総じてビルドクオリティは高いと言っていいでしょう。
機能性
DPIの変更
底面にあるDPI変更ボタンを操作することでDPIを変更することが出来ます。
選択中のDPIによって裏面のLEDインジケーターのカラーが変わるので、現在どのDPIを選択しているのかが分かりやすいです。
残念ながらソフトウェアは無いので、詳細なDPIを設定することは出来ません。
DPI(デフォルト) : 400 / 800 / 1600 / 3200
ポーリングレートの変更
底面にあるポーリングレート変更ボタンを押すことによって、ポーリングレートがサイクルします。現在のポーリングレートによって点灯するLEDインジケーターが変わるので把握しやすいです。
ポーリングレート(Hz) : 125 / 500 / 1000
クリック速度の変更
底面にあるクリック速度変更ボタンを押すことによって、クリックした時のレスポンスまでの時間を設定することが出来ます。現在のクリック速度によって点灯するLEDインジケーターが変わるので把握しやすいです。
レビューしている僕のデータ
プレイしたゲーム
Apex Legends / Aim Lab / KovaaK 2.0です。
使用したマウスパッド
Xtrfy GP4 / BenQ ZOWIE G-SR-SE
手のスペック
センシ
DPI800
ApexLegends設定1.2 ADS1.0
振り向き21.65cm(ローセンシ)
総評
総評
左右非対称ながら平面的なシェイプが特徴の小型ゲーミングマウス。メインボタン、サイドボタン、センサー、ビルドクオリティといった基本的な性能はvaxeeから発売されているゲーミングマウスとしては、最早折り紙付きと言ったところです。
目立った弱点は、ホイールは若干クリックが重く動作音が大きい所、ケーブルは固めで若干取り回し辛さを感じるの所、ソフトウェアが存在しないため詳細なDPIやプロファイル、キーバインドの設定が出来ない位で、ここらへんは好みの問題でもあるので、フィットするかしないか、使用するかしないかでスルーできる点です。
"FPSをプレイする"という特化した目的のためにこの製品を購入するのであれば、この製品より高額なゲーミングマウスと比較した時でも、全くと行っていいほど引けを取らない、非常にクオリティの高いゲーミングマウスとなっています。
2021年5月2日現在、初期不良なのか相性問題なのか不明ですが、Artizan 雷電との組み合わせでポインターが飛ぶ減少が確認されているようです。同マウスパッドを使用されている方は注意が必要です。
良いところ
- 「かぶせ持ち」「つかみ持ち」に高い適正がある
- メリハリのある入力感の反応速度の早いメインボタン
- クリック速度調節機能
- PTFEソール
- 現状、汎用としては最高性能のセンサー
- 重量は72g、ハニカム構造ではないマウスでは軽量な部類
- これだけのスペックを備えていながらこの価格は破格
悪いところ
- ケーブルは固め
- ホイールクリックが硬めで、動作音が大きい
- ソフトウェアが存在しないため、DPIの詳細設定やボタンバインドは不可能