どうも、あぎとろです。
今回はPulsarGamingGearsから2021年9月15日より日本で発売されている右手用・左右非対称のゲーミングマウス「Pulsar Xlite Wireless」のレビューをしていきたいと思います。
- ファーストインプレッション
- パッケージと内容物
- セットアップ
- 性能と使用感
- ソフトウェア"Xlite Wireless"
- レビューしている僕のデータ
- ApexLegendsを実際にプレイした感想
- 総評
ファーストインプレッション
商品仕様とスペック
製品名 | Xlite Wireless |
メーカー・ブランド | Pulsar Gaming Gears |
本体デザイン | 右手用、左右非対称デザイン |
カラー | ブラック / ホワイト |
材質 | ABS Composite |
メインスイッチ・ボタンの耐久性 | Kailh GM 8.0 / 8000万回 |
センサー | PixArt PAW3370 |
IPS | 400 |
最大加速度 | 50G |
DPI | 50~20000 |
ポーリングレート | 125 / 250 / 500 / 1000 Hz |
オンボードメモリ | あり / 32bit ARM |
リフトオフディスタンス | 1.0~1.1mm(Low設定時) |
ボタン数 | 5(メイン×2、ホイールクリック、サイド×2) |
ケーブル | Super Flexible パラコードケーブル |
マウスソール | Pure Virgin PTFE ソール |
ソフトウェア | Xlite Wireless(専用ソフトウェア) |
ライティング | LED1箇所 |
長さ×幅×高さ | 122.66 × 66.17(グリップ幅:60) × 42mm |
重量(実測値) | 58g(g) |
接続方式 | 2.4GHz ワイヤレス接続、USB 2.0 / 3.0 |
バッテリー駆動時間 | 最大70時間 |
保証 | 2年間 |
発売日 | 2021年9月15日 |
価格(2021年9月16日Amazon調べ) | マウス単品:8,490円 |
パッケージと内容物
パッケージ
前回のXliteはブラックを購入していたので、今回はホワイトを購入しました。
内容物
- Xlite Wireless
- 2.4GHzワイヤレスドングル
- USBアダプター
- 充電用パラコードケーブル(USB-C)
- 取扱説明書(兼保証書)&ステッカー
ステッカー
充電用パラコードケーブル(USB-C)
USB-AからUSB-Cへのケーブルです。
パラコードになっていて、非常に柔らかく取り回しが良いです。まとめるためのラバーも取り付けられていて非常に好印象。
むしろ、有線版のXliteのケーブルよりも柔らかいと思うんですがこれは…?
この現象、他のマウスでもあるあるなんですが、マウスに直接取り付ける場合とケーブル単体では決まりみたいなものが違うんでしょうか。メーカーさんも苦労してるんでしょうね。
2.4GHzワイヤレスドングル&USBアダプター
ワイヤレス接続に必要なのが、このワイヤレスドングル。
安定した接続を補助するのがUSBアダプターです。これに付属するケーブルを差し込んで使います。
アダプターの裏面にはラバーが仕込まれており、ケーブルの重みでデスクの上を動かないように工夫されています。
セットアップ
ソフトウェア
Pulsar公式HPのソフトウェアダウンロードページに移動して、専用ソフトウェアをダウンロードしてください。
有線版のソフトウェアを既にインストールしている方でも、Xlite Wireless専用のソフトウェアをダウンロードする必要があります。
マウス本体とワイヤレスドングルのファームウェアアップデートが配信されていますので、一緒にダウンロードしておきましょう。
ワイヤレス接続時のトラッキング精度に関するアップデートで、データで見ても明らかに改善がみられるのでアップデート推奨です。
ダウンロードページ:https://pulsargg.jp/pages/download-xlite-wireless
ダウンロード時とインストール時にWindowsのセキュリティで止められますが、僕の環境ではインストールしても問題なかったです。
ファームウェアアップデートはダウンロード後にZIPファイルを解凍して同梱されているDOCXファイルでインストール方法を確認してから、EXEファイルを起動してください。
一応、自己責任でお願いします。
ワイヤレス接続の準備
付属している2.4GHzワイヤレスドングルとUSBアダプターを接続し、更に、充電用パラコードケーブルのUSB Type-Cの方をアダプターに接続し、USB-Aの方をPCにのUSBポートに差し込めばOKです。
性能と使用感
外観と大きさ
大きさは最長部の計測で「122.66 × 66.17 × 42mm」。グリップ幅は一番狭い所で60mm。ホイールの真横からのメインボタンの高さは33mm。
縦やグリップ幅だけで見れば標準的な中型のマウスに分類されます。
所謂、EC2クローンとされている形状で、エルゴノミクスデザインを用いた成形が行われています。
形状としての大きな特徴は、上から見ると中央あたりから左右に広がっていて、左は内側へ、右は外側へ湾曲しているところです。
また、前から見るとマウス前側は逆台形になっており、薬指を伸ばす持ち方だとリフトオフがしやすい形状になっています。ただし、マウス右の後ろ側は外へ向かって湾曲しているので、薬指を曲げてマウス後端に指を立てる持ち方をすると若干窮屈でリフトオフしにくい形状になっています。
マウスの後端は切り上げられておらず、広がるように落ちる形状をしています。
底面を見てみるとシェルがほとんど取り除かれている状態になっていて、内部の基盤が露出しています。
基盤の下部にはLEDが1箇所配置されています。これはXlite Wirelessでの新仕様です。
重量測定
公称では58g。実測値は59.17g。
実測値は公称より重い結果になりましたが、誤差の範囲内かと思います。
Xliteが実測値で49.99g前後だったので、約9gの増量でワイヤレス化&メインボタン・ソール等の各パーツにアップグレードが行われたと考えると驚異的です。
スイッチ
メインクリック
メインスイッチは"Kailh GM 8.0"が搭載されています。クリック耐久は8000万回。
クリックに必要な押下圧はLogicoolやRazerのものより少し高めですが、Xliteから僅かですが本体重量も増加しているので、よほど連打するゲームに使用する場合でなければ問題なさそうです。
応答速度が早く、メリハリのあるクリック感がFPSゲーマー間では非常に人気の高いマイクロスイッチが採用されたということで、間違いなく進化していると言っていいでしょう。
動作音は「カチッ」と硬めの音が鳴り、音量は普通です。
押し込み幅が非常に狭く、応答性能の高さがわかります。
ホイール
相変わらずボディーに傾斜がついている割にホイールの露出が狭いので、マウスホイールを多様する場合はホイールの付近に指を配置する必要があるのは変わらないです。
ラバー部分は間隔が狭い直線のテクスチャーが入っていて、ラバー自体も少し柔らかめの素材なので軽く指の重みだけでグリップして操作がしやすいです。
人によっては指先の感触が少し気持ち悪く感じるかもしれません。
スクロールはスムーズでノッチ感は薄いですが、操作に対するフィードバックとしては十分だと感じました。単入力と連続入力の両方がやりやすいです。
動作音は大きく回して素早く連続入力したときにだけ「ジッ」と小さく鳴るだけで、それ以外はほぼ無音です。
ホイールクリックは硬さは普通程度で、返りも早く連続入力もしやすいです。
入力時に「カチッ」と小さな音がします。
ボディーからの露出の少なさを除けば、個人的には好印象なホイールです。
サイドボタン
センサー
センサーは"PixArt PAW3370"が搭載されています。
現在、市場では主流になって来ている最新の高性能センサーです。スペックでは最高峰に位置しています。文句なしです。
DPIは専用ソフトウェアで50~20000まで50刻みで設定出来ます。
Xlite WirelessではDPI変更コマンドが実装されました。工場出荷時のDPIも使いやすい800に設定されています。
DPI変更コマンドに関しては、目次の「単体での機能」に詳細を記載しておりますので、そちらを参照してください。
MouseTester
Pulsar公式ホームページでファームウェアアップデートが配信されています。
ワイヤレス接続時のトラッキング精度に関わる重要度の高いアップデートなので、ファームウェアアップデートは必ず行いましょう。
Xlite Wireless買った人、Pulsarの公式サイトからマウス本体とワイヤレスドングルのアップデートを必ず行ってください。
— あぎとろ。 (@agito0224) 2021年9月17日
データ上ではありますが、トラッキングの精度が全く変わります。
アプデ後→アプデ前 pic.twitter.com/y8OlMPsUwJ
"MouseTester"でxCountとxSumを計測して、センサーが正確に動作しているかをチェックしてみました。
- テスト結果はファームウェアアップデート後のもの
- マウスパッドは『vaxee PA』を使用
- ポーリングレートは1000Hzでの計測
xCount ・・・ グラフ縦軸はX軸での移動量。グラフ横軸は時間。
xSum ・・・ グラフ縦軸はX軸での移動量の合計。横軸は時間。
トラッキング性能に異常があれば、xCountでは移動方向とは逆側に点が出ます。xSumではラインに歪みが出ます。
xCount
400 / 800
1600 / 3200
xSum
400 / 800
1600 / 3200
センサーの精度は非常に良好で、かなり正確な部類です。
LOD(リフトオフディスタンス)
LoDが短ければ良いという評価基準の元判断すると、優秀なもので0.8mmから1mm。1.5mm当たりで普通となります。
- 計測にはシックネスゲージを使用
- ソールからマウスパッドまでの距離をセンサーが反応しなくなる値を計測
- マウスパッドは『vaxee PA』を使用
計測の結果は設定『Low』で0.75~0.8mmでした。
この数値は、現行の主要なゲーミングマウスの中では非常に優秀なLoDです。
LoD ・・・ Lift off distanceの略。マウスを持ち上げて、センサーが反応しなくなるまでの距離。
ソール
ソールは"PTFE"。なめらかな滑りが特徴です。
先端・センサー周り・後端に配置されていて、エッジがしっかり丸められておりどの方向にもスムーズに滑ります。
有線版Xliteと比べると、先端と後端のソールが大型化されています。
好みは分かれるかもしれませんが、最近の主要なゲーミングマウスは殆どこのタイプなので、ベターなアップデートでしょう。僕もこちらのほうが好みです。
ケーブル
"パラコードケーブル"が採用されています。
少し太いですが、かなり柔らかく摩擦係数が少なく軽いです。有線版Xliteよりも太さは増していますが、柔らかくなっています。
USB Type-Cなので、色々な用途に使えて助かります。
握り方
有線版のPulsar Xliteと全く同じ形状です。ほとんどコピペなのですでにそちらを読んでいる方は読み飛ばしても良いです。
結論から言うと、僕的には「かぶせ持ち」「つかみ持ち」と相性が良いです。60g以下という超軽量なボディのお陰で「つまみ持ち」での指先での操作でも疲れませんが、想定された持ち方ではなさそうです。
全ての持ち方でグリップテープのフル装備をオススメしてます。
このページに僕の手の大きさを記載している為、その数値を参考に記事を読むことをお勧めします。
かぶせ持ち
相性はかなり良いです。
中、大サイズの手なら、よっぽど浅く持たない限りは、ホイールやサイドボタンに指が届きます。違和感なく運用できるでしょう。
つかみ持ち
相性は非常に良いです。
つまみ持ち
相性は悪くないですが、あえてこのマウスでやる意味は少ないです。
コーティング
ABS樹脂のコーティング無しです。
元々の素材が少し滑る上に、隅々まで一定方向に長細い穴が空いているのでより滑ります。また、指を立てたりした時に指先が引っかかったり詰まったりして、グリップ感が悪いです。
グリップテープを貼り付ければ全て解決するので、個人的には必須だと思っています。
ライティング
まさかのライティング搭載。
どちらかというと、選択中のDPIプロファイルを確認させるために実装された感は強いですが、ソフトウェアで光り方やプロファイルごとの色を設定できるので十分だと思います。
本体のシェル構造も手伝ってとてもライティングが映えるのも面白いです。
ビルドクオリティ
強めにマウスを振っても全く音がしないので、スイッチ類のカタ付きはありません。
底面を大胆にくり抜いている割に、かなり作りはしっかりしています。
ホコリとか入るんじゃないかと心配だったのですが、しばらく使ってみてもその様子は有りませんでした。
僕の推論では、穴空きすぎて逆にホコリが貯まらないんじゃないかと思っています。
単体での機能
今回から、単体でもDPIとLEDのOn/Offを行えるようになっています。
DPIを変更すると画像のLEDの色がDPIプロファイルに対応して変化するので、現在選択中のプロファイルを見失いません。
操作方法
DPI変更:左クリック+前サイドボタン+ホイールクリックを約3秒間長押し
LEDのOn/Off:右クリック+後ろサイドボタン+ホイールクリックを約3秒間長押し
ソフトウェア"Xlite Wireless"
ゲーミングマウスに付随するソフトウェアで出来ることは殆どできます。
プロファイルを作成して、設定を保存することは出来ますが、プログラムに紐付けるようなことは出来ないようです。
キー設定・デバウンスタイムの変更
プログラム可能なスイッチに任意の機能を割り当てることが出来ます。
割り当てられる機能はこんな感じです。この中から、難しそうなものをピックアップして解説します。
Fire Key ・・・ 特定のキー入力を指定した回数ループします。
デバウンスタイムはウィンドウ左下の所で、0~30 msの間で1msごとに変更可能です。ここの調整幅も有線版からアップグレードされていますね。
デバウンスタイム ・・・ 入力してから反映されるまでの時間。
各種設定(2タブ目)
ここでは、DPI・LED・ポーリングレート・LoD・Windowsシステムの設定を変更することが出来ます。
DPI設定
DPIの値は50~20000の間で50刻みで設定することが出来ます。
DPIステージは1~4の間で変更で、DPI変更コマンドを入力した時にサイクルするDPIプロファイルの数を調節出来ます。
各DPIプロファイル毎にDPIの値を保存でき、そのプロファイルを選択しているときに発光するLEDの色を設定することが出来ます。
LED設定
LEDの明るさとエフェクトの速度を設定出来ます。
エフェクトの種類はこんな感じです。あくまで簡易的な感じですね。当然OFFにすることも出来ます。
ポーリングレート設定
125 / 250 / 500 / 1000 Hzから選択出来ます。デフォルトの1000 Hzか500 Hzで問題ないと思います。
ポーリングレート ・・・ 1秒間で何回デバイスからPCへ情報を送信するかを表すものです。レポートレートと呼ばれることもあります。
LoD設定
1mmと2mmから選択可能です。デフォルトで最短の1mmになっているので基本的には変更する必要はありません。
リップル制御と直線の補正に関しては、ソフト的にマウスポインターの動きを補正するものなので、FPSゲームなどをプレイする場合は邪魔になる場合が多いため、オフ推奨です。
Windowsシステム設定
こちらは、Windows側でも設定を変更出来る項目です。「ポインターの精度を向上」にチェックが入っている場合は必ず外しておきましょう。
とはいっても、最近のゲームはゲーム側でRawinputしてくれているので、あんまり関係無いとは思いますが…。
マクロ
マクロの作成・編集が行えます。
レビューしている僕のデータ
プレイしたゲーム
Apex Legends / Aim Lab / KovaaK 2.0です。
使用したマウスパッド
vaxee PA
手のスペック
ApexLegendsを実際にプレイした感想
センシ
感想
総評
Pulsar Xlite WirelessはPulsar Xliteのワイヤレスバージョンです。
形状はEC2クローンの中型マウスで、エルゴノミクスデザインとなっています。
重量は約59.17gと超軽量ワイヤレスマウスに分類され、人体工学を考慮されて作られた形状はかぶせ持ちやつかみ持ちなどの、手とマウスの設置面が多い持ち方と相性が良いです。
特筆するべきなのは、やはり約59.17gという重量でしょう。
なんと、ワイヤレスマウスの金字塔であるLogicool Pro x SuperLightよりも軽い。中型ワイヤレスマウスとしては勿論、最軽量クラスとなっています。
大胆な肉抜きが施されていますが、剛性は高く使用していて歪みや脆さを感じることはありません。
かなりの軽量ボディなのに、形状や大型ソールのおかげで操作性に安定感もあります。FPSゲームであればゲームを選ばず活躍出来るので、非常に優秀なゲーミングマウスだと言えます。
メインクリックは有線版で採用されていたOmronから、ゲーマー感で人気の高いKailh GM 8.0に変更され、高い応答性能とメリハリのあるクリック感に仕上がっています。メインボタン・サイドボタン共に、軽く・浅く・返りが良くとても良好で、押下圧は左右均等でクセはありません。
コンセプトに対しての一貫性とバランス調整の上手さを感じました。
搭載されているセンサーは最高峰なのはXliteと変わらず、ワイヤレスモデルに採用することで低電力であるというセンサーの特性を活かしきっています。
DPIを50〜20000の間で調節出来ます。デフォルトのDPIは800に設定されています。
単体でカスタマイズする機能が備わっているので、ソフトウェアを介さずにDPIを変更することも出来ます。
一方ソフトウェアではキー割当て、DPI・ポーリングレート・リフトオフディスタンスの変更・ライティングの調整・マクロ作成・編集と一通りの機能が備わっているので十分な出来だとおもいます。
バッテリーは最大70時間程度まで駆動するので、充電の頻度が少なく使い勝手が良いです。
バッテリーの残量が少なくなるとLEDが赤くなるので、ひと目で充電の時期が分かるのも便利なポイントです。
付属品はパラコードのType-C充電ケーブル、2.4Ghzレシーバー、アダプターが同梱されており、ワイヤレス環境の構築に必要なものは全て揃っています。
コストパフォーマンスも群を抜いていて、価格もこの重量に加えて、ワイヤレスマウスとしてBluetooth接続が無いことを除けば、ほぼ上限に近いスペックです。
更にアダプター等の付属品が十分に同梱されている上での9,000円を切る価格はまさに驚異的です。
購入者の手似合うかどうかはその人次第ですが、この製品を総合的に評価すると「左右非対称形状の軽いワイヤレスマウスを求めている」のであれば、必ず購入したほうが良いレベルの製品だと思います。
良いところ
- 実測値で重量60g以下の超軽量ワイヤレス
- 有線版からアップデートされたメインスイッチ
- 高いフィット感からくる安定感
- ボタン類の押下圧が、本体のコンセプトに合致している
- 現状最高スペックのセンサー搭載
- ワイヤレスの安定化に必要な付属品が全て同梱されている
- クオリティに対してかなりの低価格
悪いところ
- グリップテープ無しだとグリップは良くない
- ホイールの露出が少なさや感触は、人によって気になるかも
今回はPulsar Xlite Wirelessのレビューをしてみました。気になったという方は、商品リンクから購入していただけると嬉しいです。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
▼今回レビューした「Pulsar Xlite Wireless」