どうも、あぎとろです。
今回はTAMRONから発売されているEマウントレンズ『TAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXD』のレビューをしていきたいと思います!
ミラーレス一眼カメラ『α7Ⅲ』や『α7Ⅳ』との組み合わせで初めてのレンズとして購入してから2年間以上経過したので、実際に使ってみて感じた感想をレビュー記事という形でまとめてみました。
TAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXDの概要
VXD (Voice-coil eXtreme-torque Drive)とは
レンズ情報
製品名 | TAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXD |
レンズタイプ | 大口径標準ズームレンズ |
焦点距離 | 70~180mm |
最大径×長さ | 81x149mm |
重量 | 810g |
対応マウント | α Eマウント |
フォーカス | AF/MF |
フルサイズ対応 | ○ |
レンズ構成 | 14群19枚 |
開放F値 | f2.8 |
絞り | F2.8〜22 |
絞り羽枚数 | 9枚 |
最短撮影距離 |
AF時 ズーム全域:85cm MF時 W:27cm / T:85cm |
最大撮影倍率 |
AF時 ズーム全域:1:4.6 MF時 W:1:1:2 / T:1:4.6 |
価格(2023年6月20日) |
Amazon:123,750円 価格.com最安値:113,802円 |
外観
実際に2年間使用してみた感想
表現力
写り
基本的に、ズーム全域で開放F2.8から中心部に近いほどシャープネスが高く、F8まで絞ると周辺までシャープネスが向上します。
望遠端180mmの評価が低いようですが、僕は使用していてそう感じたことが無いので、あくまでSONYであればGMレンズの様なハイエンドなレンズと比較して劣るという話だと思います。
2420万画素のα7Ⅲから3300万画素のα7Ⅳに乗り換えた後でもシャープネスに問題を感じることは無く、満足して使用できています。当然、高画質な単焦点レンズやGMレンズと比較すると差を感じるかもしれません。
ボケ・玉ボケ
ボケは全体的に滑らかです。
開放F2.8だと後ボケは糸巻きが目立つので、特性を活かせるのであれば良いと思います。
玉ボケは、開放F2.8では中央は真円に近く、周囲はレモン型になります。だいたいF4まで絞ると周辺まで真円に近づき、F4.5まで絞ると完全に真円になります。
ここは好みの問題なので作例を参考にしてみてください。
簡易マクロ機能
レンズ側のズームを広角端の70mmにセットし、カメラ側でMFに設定した場合のみ、最短撮影距離を27cmまで縮めることでマクロ撮影をすることが出来ます。
あくまでオマケ的な機能で、マクロ撮影に特化したマクロレンズとは比較にならない位周辺の流れが有ります。それでも、マクロレンズを所有していない、もしくは荷物的にマクロレンズを持って行きたくない時には、表現の幅が広がりますから、ありがたい機能ではあります。
花の撮影等ではこのレンズでマクロ的な撮影をしたこともありますが、中央にピントを合わせたり、平面的なものを撮らないなど、工夫すれば十分見栄えがするものが撮れます。
フレア・ゴースト耐性
耐性は高い方で、結構角度をつけないとゴーストは出ない印象。しかし、日差しが強い環境での撮影ではゴーストが発生する場合もあります。太陽を画角に入れない場合はハレ切りしたほうが無難です。
ただし、フレアは割と発生する方で、画角に強い光源が入るとフレアが発生しがちです。個人的にはそれも表現として好きなのですが、どんな状況でもコントラストが高いクリアな描写を求める人には注意が必要かもしれません。
携帯性
ズーム全域F2.8通しの大口径標準ズームレンズとしては圧倒的な軽さではないでしょうか。
形状も非常にコンパクトなので、レンズ単体は勿論ですが、本体に装着した状態でも収納がしやすいです。
機能性
オートフォーカス
カメラボディはα7Ⅳを使用。
開放F2.8でも、AF-Cなら条件が良いと比較的高速かつ正確です。白いものや黒いものにも割りと合焦します。暗所でもとりあえず合焦します。ただ、逆光のシーンで被写体が小さかったりするとフレキシブルスポットSでもピントが抜けていることがあるので少し注意が必要だと感じています。
人・動物・鳥の瞳AFやトラッキングAFも問題なく機能します。
AF-Sでは一気に性能が悪化、合焦速度が落ちウォブリングがよく発生します。また、黒いものや白いものに対する食いつきが悪くなります。
AF-Cで使用するべきレンズで、これは他に僕が使用しているレンズではSIGMAのレンズでもみられる現象です。SONYのカメラボディはAF-Cがかなり優秀なので、基本的には問題ないです。
ただし、夜景を含む風景写真や動かない被写体でじっくりピントを追い込みたい時はきちんとマニュアルでピントを追い込んでやるほうが良いと思います。
スイッチ類
付いているスイッチはズームロックスイッチのみです。
ズームロックスイッチは収納用で、ズームが広角端の時にだけロックを掛けることが出来ます。
ズームリングとフォーカスリング
フォーカスリング、ズームリング共に、ラバーが巻いてあり指が滑ったりと言ったことはなく適度に表面に引っ掛かりがあるので操作しやすいです。
また、ズームリングは幅が広く、フォーカスリングは幅が狭くデザインされているので、指の感触だけでどちらのリングに指が掛かっているかを判断しやすく工夫されています。
ズームの回転角も大きめかつスムーズに動作するので文句なしです。
手ブレ補正
レンズ内手ぶれ補正は搭載されていません。これだけ軽いので、日中の静止画の撮影では全く気になりません。
手持ちで動画撮影をする時は、かなり気合を入れないとスムーズに動かすのは難しいかも知れません。
ビルドクオリティ
鏡筒
外装はプラですがマットな仕上げになっているので安っぽさは感じません。
所有しているレンズの中ではかなりハードに使用していますが、今のところ傷は見当たりません。
ズーム・フォーカスリング
どちらも一定の力でスムーズに回転し、快適に操作できます。
防塵防滴機能
レンズ鏡筒の可動部、接合部の各所に防滴用のシーリングが仕込まれています。
簡易防滴との事なので過信は禁物の様です。公式HPでも簡易防滴のような記載なので、そう言うことだと思います。
一応、実体験としては雨の中や吹雪の中での撮影に数回使用しましたが、カメラボディ・レンズ共に問題は起きていません。伸びた鏡筒を戻す時に水や雪を巻き込まない様にだけ気をつけています。
気温差によるクモリやカビの発生には十分気をつけて、使用後は迅速に水気を拭き取り、段階的に気温が高い部屋に持ち込んで直ぐに防湿庫に入れるようにしています。
防塵に関しては信頼性は低いです。前玉に結構ほこりが入るので気にする人は覚悟した方が良いです。僕の場合は1年使用してF8あたりまで絞ると薄く見える程度のほこりが幾つか混入していました。
レタッチする人なら除去すれば良いだけですが、したくない人だと結構致命的かもしれませんね。
フィルター径
安心の67mm!
SIGMAやTAMRONのコンパクトなズームレンズの殆どがフィルター径67mmなのでレンズ群にそれらが多い場合、安心してフィルターを使い回せます。
また、フィルターの価格は径が小さくなるほど安価になるので、そういった面でもお財布に優しいです。
ただし、Sony純正のフルサイズ対応ズームレンズの大半は72mm以上なので、そちらとの共有は考えないほうが良いです。SONY純正の主要な単焦点なら20mmF1.8 G・24mmF1.4 GM・35mmF1.4 GM・50mmF1.4 GM・85mm1.8がフィルター経67mmで共有可能です。
作例
※基本Adobe Lightroom Classicにて軽くレタッチをしています。
タッチorクリックにて画像の拡大及び出来ますのでご利用下さい。
疑似マクロ
総評
良いところ
- 大口径標準ズームとしては超軽量・コンパクト
- ズーム全域で開放F値2.8
- シャープな描画性能
- 価格が安い
悪いところ
- 望遠側の焦点距離が少し短い
- 手振れ補正が非搭載
- SONY純正機能の一部に非対応
- カスタムボタンが無い
- 内部にホコリが混入しやすい
一番気になるのはやっぱり「内部にほこりが混入しやすい」点。気がつけば前玉に小さなほこりが結構入ってるんですよね。
ズーム時に伸びる仕様なので仕方ないですし、大きく絞らない限りは写りには問題ないので良いんですが、テンション下がるは下がります(´・ω・`)
まとめ
”TAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXD”に関しては大体わかって貰えたでしょうか。
コストパフォーマンスに優れ、軽量・コンパクトで持ち運びやすく、通常その大きさと重さから持ち出しを躊躇する望遠ズームレンズですが、これだけコンパクトだとかなり撮影機会が増えます。
写りも素晴らしく、きっちり瞳AFも使えます。僕はこのレンズで望遠域の焦点距離が好きだと気がつけたので、非常に推しているレンズです。
個人的には、初めて行く撮影スポットや何を撮るか決めていないシチュエーションで持っていくことが多いです。
今回はTAMRON 70-180mm F2.8 Di III VXDのレビューをしてみました。気になったという方は、商品リンクから購入していただけると嬉しいです。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。