どうも、あぎとろ(@agito0224)です。
今回はSONYから2021年6月25日より発売されている完全ワイヤレスイヤホン「SONY WF-1000XM4」のレビューをしていきたいと思います。
ファーストインプレッション
「なんで今さら?」と思うかもしれませんが2023年2月28日についに待望のマルチポイント接続機能がファームウェアアップデートにて実装されたので、今回購入に至りました。
WF-1000XM4はドライバーに6mmのダイナミックドライバーを搭載、機能としてはアクティブノイズキャンセリング(ANC)・外音取込み機能・マルチポイント接続・アプリ「Headphones Connect」によるカスタマイズ・イコライザー(EQ)・位置情報から得た場所情報で自動的にリスニング環境を切り替えてくれるアダプティブサウンドコントロール・LDACコーデック対応と、まさに全部入り。
デザインも格好良く、前作よりも小型化されていて装着時の見た目も落ち着いた印象に。カラーはブラックとプラチナシルバーが用意されており、服装を選びません。
通常価格はAmazonで33,000円。ですが、発売されて時間も経つので多くの売り場では2万円台中盤から後半にて売り出されています。
アクティブノイズキャンセリング(ANC) ・・・ 機械的に外音を遮断する機能
外音取込み機能 ・・・ 機械的に外音取り込む機能
製品仕様とスペック
製品名 | WF-1000XM4 |
メーカー・ブランド | SONY |
形状 | カナル型 |
カラー | ブラック / プラチナシルバー |
ドライバー | 6mmダイナミックドライバー |
応答周波数 | 20Hz-20000kHz(LDAC時は40000Hz) |
Bluetoothバージョン | 5.2 |
対応プロファイル | HSP,HFP,A2DP,AVRCP |
対応コーデック | AAC,SBC,LDAC |
通信範囲 | 10M |
バッテリー容量 | ケース:500mAh / イヤホン:35mAh |
最大連続音楽再生時間 |
ケース込み:最大24時間(NCオン) / 最大36時間(NCオフ) イヤホン単体:最大8時間(NCオン)最大12時間(NCオフ) |
充電速度 | 約1.5時間 |
無線充電 | ○ |
充電ポート | USB Type-C |
ケース寸法(L×W×H) | 66×29×39mm |
重量 |
イヤホン:約7g 充電ケース:約41g |
防水規格 | IPX4 |
ANC(アクティブノイズキャンセリング) | ○ |
外音取込み | ○ |
マルチペアリング | ○ |
ソフトウェア | ○ |
発売日 | 2021年6月25日 |
保証 | 12ヶ月の製品保証 |
価格(2023年3月23日Amazon価格) | 通常価格:33,000円 / 価格.com最安価格:25,000円前後 |
パッケージと内容物
パッケージ
内容物
- WF-1000XM4 本体
- 充電ケース
- USB Type-A to USB Type-C ケーブル
- 3サイズ(S/M/L)のイヤーピース
- 取扱説明書等
付属品
イヤーピース
ウレタンのイヤーピースが「S / M / L」の3サイズが付属しています。
USB Type-A to USB Type-C ケーブル
めちゃくちゃ短いUSB Type-A to USB Type-C ケーブルが一本付属しています。
充電ケース
形状は無線充電対応かつANC・外音取り込み対応のものの中では小型部類です。重量も軽量で適当にポケットに入れても主張しすぎず持ち運びやすいです。
手で持った時の質感も良くテクスチャーもマットで滑りにくいがホコリや手油が付きにくい素材で出来ており、高級感が有ります。
少し不便を感じたのは、ケースに本体を収めるマグネットが強く取り出す時に注意しないと落としてしまいそうになることですが、反面、戻す時に収まりが良かったり、ケースを落とした時に中身が散らばり辛くなる点は良い点と捉えることも出来ます。
WF-1000XM4の性能と使用感
外観
表面はケースと同じテイストで、マットでサラサラとしながらも手に吸い付くような感触なので、ゴールドの差し色も相まって高級感があります。
丸っこいデザインも装着時に収まりが良く主張しないので落ち着いていてとても良いです。
装着感
装着感は良好で、フィット感も良く疲れにくいです。付属する3サイズのイヤーピースで十分対応出来る範囲かと思います。
遮音性・ANC・外音取込み
ANCが搭載されており、高音域は若干カットしきれないものの、中・低音域の音はかなりの領域をカットしてくれます。
外音取込みは、高音域が強調されている感覚はありますが、殆どイヤホンをつけていない時と変わらない聴こえ方で、自然に聴くことが出来ます。
また、強度を調節することが出来るので、聴こえ方に合わせることが出来ます。
操作
操作はタッチ方式になっています。物理センサーは無し。アプリである程度カスタマイズすることが可能です。
カスタマイズに関してはあまり細かく設定することは出来ず「外音コントロール・再生コントロール・音量コントロール・割り当なし」のカスタムプールから左右のイヤホンに割り当てる方式になっています。
タップ・ダブルタップ・トリプルタップ・長押しにそれぞれ割り当てられた動作を入れ替えたりすることが出来ません。
初期の状態では、左側は外音コントロール機能、右側に再生コントロール機能を割り当てられているので、僕は初期の状態で問題ないのでカスタムの必要性は感じていません。
ビルドクオリティ
樹脂製ですが質感がマットで高級感があります。
作り自体はしっかりとしていて、値段なりの出来だと思います。
重量
充電ケースで41g。イヤホンが左7g、右8g。
サウンド
イヤーピースは付属のMサイズを使用しました。
再生機器はiPhone11。Android機を所持していないのでLDACコーデックによる接続については未検証です。
音質傾向
高音域・中音域・低音域がかなりド・フラット。
高音域・中音域・低音域を全体的にかなりバランスよく豊かに鳴らしてくれます。原音に忠実で聴き疲れの無い、良い音だと思います。
個人的には高・中音域が強調されたサウンドが好きなので最初は物足りなさを感じましたが、聴き込んでいくに従って慣れもしましたし、好みに合わせてイコライザーで細かく調節出来るので、ここらへんは適宜好みに合わせればOKかなと思います。
当然、ナチュラルボーンな味を求める人には向かない理由にはなり得ますので購入の際には注意してください。
解像度
高いです。楽器の余韻や演奏者の意図等、細かいディティールも良く再現していて特に不満はないです。
音場・定位
音場は狭くもなく広くもなく収録環境を十分に再現している思います。
定位も正確で、音像がクリアに感じられます。
ソフトウェア
ファームウェアのアップデート・バッテリー残量の確認・接続先の確認・マルチポイント接続・ボリュームコントロール・イコライザー(EQ)・ANC / 外音取込みの切り替え&調節・タッチ操作カスタマイズ・アダプティブサウンドコントロール・DSEE Extreme等を利用することが出来ます。
機能が多すぎるので細かいところは割愛しますが、この中でも僕が注目した3つの機能をピックアップしてご紹介していきます。
1つ目は「イコライザー」。イコライザーにはいくつかプリセットが用意されており、それを好みで選ぶだけでも好きな音質傾向にカスタムすることが出来ます。加えて、好みに設定したステータスを保存しておくことも出来ます。
2つ目は「マルチポイント」。マルチポイントは2023年2月28日に公開されたファームウェアアップデートにて実装された機能で、複数台を同時にBluetooth接続しシームレスに再生機器を切り替えるという機能です。
僕はiPhone11と自宅のデスクトップPCを登録しており、外出時はiPhone11、帰宅時はPCを起動した段階で自動的に接続してくれます。また、PCから離れてiPhone11を持ってリビングに行ったり外出する場合でも、いちいち接続先を変更する必要が無いのが大変便利です。
3つ目は「外音取り込み」。0~20の21段階で強度を調節することが出来、場面に応じて数値を調節することで会話やアナウンス等、聞き逃したくない音を自然な音量で得ることが出来ます。また、アダプティブサウンドコントロールと組み合わせることによって、アプリが自動的に自分の状態を判断してそれらをコントロールしてくれるので、とても便利です。
総評
WF-1000XM4の強みは「『音質・使用感・装着感・携帯性』の総合力の高さに加え、強力なANC&外音取り込み機能、マルチポイント、アプリによるサポート」
現在の価格で言えば、コストパフォーマンスが高いとは言えないものの、十分値段なりの性能という感想です。
しかし、購入さえしてみれば耳から外す事すら億劫になるレベルで使用感が良いと感じました。
特に、強力なANCと超優秀な外音取り込みの組み合わせは強烈で、ANCは強力で雑音の殆どをカットしてくれて集中力を維持することに役立ちますし、外音取り込み機能は付けていることすら忘れる程自然な聞こえ方をします。
ファームウェアアップデートにて待望のマルチポイントが実装された点もWF-1000XM4の付加価値を大きく高めています。外出時から自室に戻っていからも付けっぱなし。
音質の素性は勿論良く。聴き疲れしないがディティールは精細に再現してくれるので、用途ごとにイコライザーで調節してやればかなり聴けます。
「フラットで高音質なワイヤレスイヤホンが欲しい」「強力なANC・外音取り込みが欲しい」「マルチポイントが欲しい」といったユーザーには有力な選択肢になりえるでしょう。
メリット
- フラットだが素性の良い高音質
- イコライザーで好みの音質にカスタマイズ可能
- ANC・外音取込み・マルチポイントのどれもが非常に高いレベル十分で機能している
- イヤホン単体で約8時間、充電ケース込みで約24時間の駆動時間
- IPX4かつフィット感も適度で外音取り込み機能の優秀さも相まって、軽いスポーツにも対応可能
- 充電がUSB Type-Cなので汎用性が高い
- 無線充電対応
- アダプティブサウンドコントロールが面白い
デメリット
- 若干ケースから取り出しにくい
- 操作方法のカスタムの幅が狭い
- LDACはiPhoneでは使えない