どうも、あぎとろ(@agito0224)です。
今回はBenQ ZOWIEから2022年11月16日より日本で発売されているリフレッシュレート360Hz対応、応答速度0.5ms(GtoG)、TNパネル搭載の24.5インチゲーミングモニター「BenQ ZOWIE XL2566K」をBenQ様からご提供頂いたのでレビューをしていきたいと思います。
XL2566Kの特徴
- リフレッシュレート360Hz対応、応答速度0.5ms(GtoG)
- 24.5インチのTNパネル
- ゲームを有利にする機能(DyAc+、Color Vibrance、Black eQualizer、AMA)を搭載
- 上下左右の角度に加えて高さも調節可能な広い可動域
- ゲームプレイへの没入感を高めるアイシールドが標準で付属
- XL Setting to Shareによる設定の共有が可能
- DisplayPort1.4×1、HDMI2.0×2、ヘッドホンジャック×1、S.Switch入力端子×1といった豊富な入力端子
240Hz対応型であるXL2546Kからの変更点
- AMAにカスタムモードが追加
- HDMI2.0端子が3から2へ減少
- DisplayPort1.2(240Hz対応)からDisplayPort1.4(360Hz対応)へアップグレード
- エコモード搭載
スペックの比較をしてみても、筐体のデザイン・リモコン・アイシールド・スタンド調節機能・メニューはXL2546Kからの変更は無く同等で、XL2566KはXL2546Kの360Hz対応モデルということでしょう。
商品仕様とスペック
製品名 | XL2566K |
メーカー・ブランド | BenQ ZOWIE |
画面 | ---------------------------------- |
サイズ / パネル / バックライト | 24.5インチワイド / TN / LED |
アスペクト比 | 16 : 9 |
解像度 | フル HD(1920 x 1080) |
表示サイズ(mm) | 543.744 x 302.616 |
表示色 | 約 1677万色 |
画素ピッチ(mm) | 0.283 |
輝度 | 320 |
コントラスト比 | 1000 : 1 |
応答速度 | 0.5ms(GtoG) |
水平周波数(KHz) | 30 ~ 467 |
垂直周波数(Hz) | 48 ~ 360 |
入出力端子 | ---------------------------------- |
入出力端子 | HDMI 2.0 x 2 / DP 1.4 x 1 / ヘッドホンジャック |
電源 | ---------------------------------- |
電源 | 内蔵 |
消費電力 最大/標準/エコ(W) | 40 / 19 / 17(待機消費電力: 0.5W) |
スピーカー | なし |
サイズ・重量 | ---------------------------------- |
外形寸法(WxHxD) | 442.84~521.17 x 571 x 200.18mm |
本体重量(kg) | 約 6.2 |
総重量(kg) | 約 9.7 |
スタンド(台座) | ---------------------------------- |
VESAマウント 100x100mm | ○ |
ピボット | 90° |
スウィーベル角度(左 / 右) | 45° / 45° |
ティルト角度 | -5° / 23° |
高さ調整 | 155mm |
保証・発売日・価格 | ---------------------------------- |
保証 | 3年間保証(パネル・バックライトは1年保証) |
発売日 | 2022年11月16日 |
価格(2023年6月12日Amazon) | 100,821円 |
パッケージと内容物
パッケージ
内容物
- XL2566K本体
- スタンド
- S.Switch
- アイシールド
- ケーブル類(HDMI2.0ケーブル×1 / DisplayPortケーブル×1 / 電源ケーブル)
- 液晶モニターカバー
- クイックスタートガイド、保証書
外観と仕様
外観
- 外観は以前レビューしたXL2546Kと全く同じ
- 全体がマットブラックで枠の角度も光を反射し辛い工夫がされていて画面が見やすい。
- 枠(ベゼル)はちょうどよい厚み。ゲームをする上では液晶に表示される表示内容と、壁等の背景を切り分けた方が集中力が上がります。
- 操作ボタンやLEDが背面に移動している為、ゲーム中に集中を阻害されない
- 背面に移動した分、スティックやボタンは手探りで見つけやすく操作しやすい様に大きく感覚を広くとって配置されています。
細かい部分まで拘ってデザインされた、まさに勝つ為のデザイン。プレイヤーのことをよく考えられていると、強く感じました。
入出力端子
入力端子
DP(DisplayPort)1.4 × 1
HDMI2.0 × 2
出力端子
ヘッドホンジャック × 1
360Hzで駆動させるためにはDisplayPort1.4でPCと接続しましょう。
HDMI2.0接続では240Hz駆動までしか対応していません。
ベゼル
細くも無く太くも無くといった感じです。
マット加工されていて光を反射し辛いデザインになっています。
特徴的なのは、画面前面に操作ボタンやLEDが配置されておらず、ゲームのプレイ中にLEDの光が目に入ったりしないので、ゲームに集中できます。
他のモニターを使用していて結構気になった部分なのでかなり嬉しいです。
エッジの部分は普通のモニターなら液晶の面に対して垂直になっているものですが、XL2566Kは外側に向かって角度を付けて面取られています。
ディスプレイから発する光がエッジのせり出た部分に反射して、プレイヤーの目に入らないようにという配慮からこういうデザインになっているようです。
プレイヤーが最大限にゲーム画面に集中できるようなデザインになっている点は、非常に好印象です。
アイシールド
装着するとこんな感じ。画面端の反射光をカットしてくれるのに加えて、視線がモニターの外に向くのを防いでくれる効果があり、ゲームプレイへの集中をサポートしてくれます。
装着方法は簡単で、モニター側面のゴムパーツを外して、アイシールドを引っ掛けて固定するだけ。
ヘッドホンハンガー
モニターを正面から見て左上背面には、ヘッドホンハンガーがあり、使い終わったヘッドホンをかけておくのに使えます。
スタンド
台座と足右側にはメモリが有り、それぞれモニターの高さ・上下左右の角度を記憶しやすい工夫がされています。
大会への貸出が多い機種なので、プロのプレイヤーが自宅と同じ環境でプレイ出来るようにと言う配慮の元搭載された機能です。
一般ユーザーにとっても、ゲーム中と作業中で適したモニターの角度や高さは異なるので、ハード側である程度記憶してくれるのは助かります。
ケーブルホールも空いているので、モニターから出るケーブルをまとめることが出来てデスクも少しスッキリします。
スタンドとモニターの接続規格は100×100mmのVESAマウントとなっているので、液晶モニターを対応するモニターアームに取り付けることも可能です。
スタンドの可動範囲
高さ
155mmの範囲で高さを変更可能です。無段階で調節可能です。
スィーベル(水平方向)
左右に45°ずつ可動します。無段階で調節可能です。
ティルト(垂直方向)
下方向へ-5°、上方向へ23°可動します。無段階で調節可能です。
ピボット(90°回転)
ディスプレイを正面から見て時計回りに90°回転します。反時計回りには回転しません。
また、一回転はせず、90°の位置でピッタリと止まります。
S.Switch
デスクの上で簡単にメニューを操作出来る便利なコントローラーです。
液晶モニターカバー
ビニールのような素材で出来ています。立体的な構造で、モニターに掛けた状態でスタンドの上部にあるハンドルが握れるように穴が空いています。
液晶にホコリが掛かるのが嫌な場合は有用かもしれません。
ゲームに特化した機能
以前レビューした「XL2546K」とほぼ同等の内容なので、少し簡略化しています。
気になる方はXL2546Kの記事も読んでみてください。
DyAc+
Off
高
Premium
画像は、カメラのシャッター速度を1/1000まで上げて撮影したものです。
DyAc+がOffの状態では普通に画面が見えます。
DyAc+が高もしくはPremiumの状態では、画面に黒い帯が映り込みます。
この黒い帯がDyAc+の正体で、通常の描画の間に黒い画面を挟むことによってゴースト(残像)を緩和しています。
通常、所謂「黒色挿入機能」を使用すると画面が暗くなるなどのデメリットが発生するものなのですが、DyAc+はOffからPremiumまで、段階的に輝度の設定値が高くなるようにプリセットが組まれている様です。
XL2566Kでは、デメリットを打ち消すほど十分な輝度幅が用意されている為、安心してDyAc+を利用することが出来ます。
非常に高度な技術でハードウェアのレベルが高くないと出来ない、ハイエンド機「ならでは」の芸当と言えます。
DyAc+の効果を目で見てみる
DyAc+が「こういう原理でこうだから素晴らしい」と文面で示してみるものの、実際に見てみないことには納得しづらいものだと思います。
ですから、今回は「BLUR BUSTERS」のMotion Testsでゴースト(残像)の量を検証してみました。このサイトは、左から右に等速で流れるUFOが設定されたfpsで流れ続けるというもので、液晶画面を通して実際に発生しているゴースト(残像)を目で確認出来るというものです。
DyAc+の「Off」「高」「Premium」という3つの段階の変化による見え方の違いを実際に画面を撮影した画像を見て、効果を判断してみて下さい。
シャッター速度1/250で流し撮りで撮影した画像を掲載しています。画像的な補正は一切行っていません。明るさや色味は手動での流し撮りの画像なので、若干のカメラと画面との角度の違いによるものです。
DyAc+を「高」もしくは「Premium」にした途端、明確にゴーストが消えてくっきりとUFOが見えるのがわかります。
「高」と「Premium」の差はそれほどありませんが、よく見るとゴーストが薄くなっているように感じます。
Color Vibrance
画面の彩度を調節することが出来る機能です。
0~20の20段階で調節可能で、0にすると白黒の画面になり、10で標準となり、20で色がかなり濃くなります。(画像は0から10刻みで数値を上げています。)
彩度は視認性に大きく影響するので、個人的には7〜13あたりがオススメです。
ApexLegendsでは彩度を大きく上げると安置外やドーム越しの視認性や、ピンやアモの色が判別がし辛くなる場合があるので、その辺りも考慮して彩度を決めると良いです。
また、最近ではグラフィックボードのソフトウェアやWindowsの機能で設定することも出来ますが、それらの機能を利用すると、録画や配信等を行う場合、結果に影響を受けてしまいます。
ハードウェア側の機能で調節することによって、録画や配信に影響を及ぼさずに効果を得られるというのは、見過ごせないメリットです。
Black eQualizer
明るい部分への影響を最小限に抑えつつ、画面の暗い部分を明るくする機能です。
0~20の20段階で調節可能で、0が標準となっていて、数値を上げていくほど暗部が明るくなります。
ApexLegendsでは室内のライティングが弱いので、この機能を使うことで有利に戦うことが出来ます。
ただし、明るい部分への影響は最小限に抑えられているとはいうものの、ApexLegendsは野外と室内の明暗差が激しいゲームなので数値の上げすぎは悪影響を与える場合も有る為、最適な値を模索する必要はあります。個人的には5~10がおすすめです。
AMA(Advanced Motion Accelerator)
オーバードライブ機能です。
高・プレミアム・カスタムに設定する事でディスプレイの応答速度を高めることが出来ます。
XL2566Kでは「カスタム」が選択できるようになっていました。数値を「0~30」の幅で調節することが出来る様です。
某サイトの調べでは、数値を21以上に設定することによって、プレミアム以上の応答速度に達するようですが、エラー率もさらに上がってしまうので推奨出来ないとのこと。
相変わらず、応答速度と平均エラー率のバランスが良いのは「高」のようです。
実際にXL2566KでApexLegendsをプレイしてみる
プレイ環境
PCスペック:
CPU→core i9-9900K
GPU→RTX2080ti
メモリ→32GB
ストレージ→M.2 SSD
ApexLegends設定:
解像度→1477×831
アンチエイリアス→TSAA
テクスチャーストリーミング割当→4GB
モデルディティール→最高
それ以外→無効もしくは最低
NVIDIA GeForce Experience設定:
イメージスケーリング→77% 1477×831
感想
筆者のPCスペックだとApexLegendsは平均で200出れば良い方なのですが、時代の進みは早いもので、現在ではNVIDIA GeForceExperienceの「イメージスケーリング」を利用することにより、平均でfps(フレームレート)は300fps位出ていました。
イメージスケーリングとは、画面の解像度を下げつつも、画質の劣化を最低限に抑えつつ画面fpsを伸ばす技術です。
結果から言うと、かなり快適にゲームをプレイする事ができました。
素早く細かいターゲットの動きも視認出来るので、自信の反応速度を最大限発揮することが出来ました。
特に影響が大きかったのは、スペックでは360㎐駆動・応答速度が0.5ms (GtoG)で、機能ではDyAc+、Black eQualizerでした。
フレームレートについては、240と360では違いを知覚出来るのかと言われると人によるとしか言えないですが、妥協の無い環境を構築したいならば360Hz対応のゲーミングモニター一択でしょう。
総評
BenQ ZOWIE XL2566KはBenQ ZOWIEから発売されている24.5インチのリフレッシュレート360Hz対応の応答速度0.5ms(GtoG)、ハイスペックゲーミングモニターです。
筐体はXL2546Kと変わらず、競技性の高いゲームをプレイする為によく考えられた設計になっていると思います。
スタンドは可動範囲が広く、安定感が高く、非常に使いやすいです。モニターアームを使用しない場合でも十分に自由なセッティングが可能になっています。
機能はゲームが有利になる「DyAc+」「Black eQualizer」「Color Vibrance」「AMA」といった強力な機能を初め、「ブルーライトカット」等の普段遣いやセッティングの容易さを想定されたような機能まで網羅されています。
特に「DyAc+」は他では代用が効かない強力な黒色挿入機能で、デメリットも無く大きなアドバンテージを得ることが出来る為、XL2566Kを購入する為の大きなキッカケになるでしょう。
操作性は考え抜かれており、スティック一本でメニューを操作できる操作性に加えて、クイックボタンが2つ搭載されており、素早く目的のメニューへ到達出来る工夫を感じます。
また、付属されている専用のコントローラーであるS.Switchは3つのボタンに加えホイールスクロール・ホイールクリックが搭載されており、より快適にメニュー操作を行うことも出来ます。
価格は10万円とフルHDのゲーミングモニターとしてはウルトラハイエンドな部類に分類されます。
以上をまとめて、XL2566Kがオススメな人はどういう人かを考察すると、「360Hzを体験してみたい人」「FPSゲームを快適な環境でプレイしたい人」「FPSゲームをガチでやりたい人」に非常におすすめできる最高峰のゲーミングモニターであると言えます。
良い点
- 360Hz稼働、0.5ms(GtoG)の応答速度
- DyAc+による強力なゴースト(残像)抑制が可能
- Black eQualizerやColor Vibranceも実用的
- ゲームプレイを最優先として考えられた洗練されたデザイン
- 新しく設計されたスタンドによるプレイスタイルに合わせた自由なセッティングが可能
気になる点・注意点
- 色再現性は低い
- TNパネルなので視野角が狭い
- ゲームによっては360fpsを出すには、それなりのPCスペックが必要
今回はBenQ ZOWIE XL2566Kのレビューをしてみました。気になったという方は、商品リンクから購入していただけると嬉しいです。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
▼今回レビューした「BenQ ZOWIE XL2566K」