どうも、あぎとろです。
今回はvaxee OUTSETから2021年2月3日より発売されている右手用・非対称のゲーミングマウス「OUTSET AX」のレビューをしていきたいと思います。
ファーストインプレッション
OUTSET AXはvaxeeとOUTSETによって共同開発されたIE3.0クローンの右手用・非対称のゲーミングマウスです。
通常のIE3.0クローンのマウスと比較して前後をカットすることでマウス自体の長さは短く、背は高いまま傾斜のついた形状をしています。
また、クリック感も非常に良好で、好みに合わせてクリック速度も調節すれば理想のメインボタンであると言えるようになるポテンシャルがあります。
- IE3.0クローンの非対称の右手用ゲーミングマウス
- クリック速度を調節可能
- 0.6mmの100%PTFEソール
- パラコードケーブル
- ソフトウェア無しで動作と各種設定が可能
OUTSETって?
OUTSET(アウトセット)とは、CS(カウンターストライク)のレジェンドプレイヤーであるZhengwei "alex" Bian氏により立ち上げられたブランドです。彼は今もCSプレイヤーの多くが使用するZOWIE EC2をプロデュースしたことで有名です。商品仕様とスペック
製品名 | OUTSET AX |
メーカー・ブランド | vaxee・OUTSET |
本体デザイン | 右手用・非対称 |
カラー(コーティング) | マットブラック / グロッシーホワイト |
メインスイッチ・ボタンの耐久性 | HUANO 60g ・ 耐久性は非公開 |
クリック速度 | 2 / 4 / 8msから選択可能 |
マウスホイール | 光学式24ノッチホイール |
センサー | PMW3389 |
DPI | 400 / 800 / 1600 / 3200 |
ポーリングレート設定(Hz) | 125 / 500 / 1000 |
リフトオフディスタンス | Low / Mid / Highから選択可能 |
ボタン数 |
5(メインボタン×2、ホイールクリック、サイドボタン×2) + 3(DPI変更ボタン、ポーリングレート変更ボタン、クリック速度変更ボタン) |
長さ×幅×高さ | 117.43 × 65 × 43 mm (グリップ幅:59mm) |
重量(実測値) | 75g(ケーブル含まず実測値:81g) |
ケーブル | 2.0m / パラコードタイプ |
マウスソール | 0.6mm / PTFE |
ソフトウェア | 無し |
ライティング | 無し |
接続方式 | USB 2.0 / 3.0 |
保証 | 1年間 |
発売日 | 2021年2月3日 |
価格(2021年4月6日vaxee公式サイト価格) | 6,990円 |
パッケージと内容物
パッケージ




パッケージは非常に簡素で、真っ白な紙の箱です。
内容物
内容物はOUTSET AX本体のみで説明書すら入っていません。
性能と使用感
外観と大きさ










大きさは最長部の計測で「117.43 × 65 × 43mm」。グリップの幅は59mm、フロントサイドの高さは29mm。
高さは他のIE3.0クローンのマウスと同じ43mmなのですが、長さが117.43mmと短めなので部類としては小型から中型のマウスになります。
トップシェルに左高右低の傾斜が付いており、IE3.0クローンらしい形状になっています。
他の非対称のマウスと比較してみた
自分が持ってるマウスが中にあれば、参考になるかもしれないので、参考までに画像を並べてみます。
僕はEC2を所有していないですし、EC2との比較なんて幾らでもされてるでしょうから、折角なので、近い形状かつある程度流通しているメジャーな右手用・非対称マウス3つと画像で比較しようと思います。
DeathAdder V2 Pro




AX:117.43 × 65 × 43mm
DA V2 Pro:127 x 73 x 43mm
G703h




AX:117.43 × 65 × 43mm
G703h:124 x 68 x 43mm
M4 RGB




AX:117.43 × 65 × 43mm
M4 RGB:120 x 68 x 39mm
重量測定
公式では75g。実測値は81g。
重心が非常に安定していて、持った時に違和感を感じることは無いです。
スイッチ
メインクリック
マイクロスイッチは"HUANO 60g"が採用されています。耐久性は不明です。
クリック感は非常に良好で「軽く・遊びが少なく・返りが良い」為、連打も保持もやり易いです。
メインスイッチを押し込み始めて、押下圧がクリック可能な力に到達した瞬間に入力されます。クリックに対する反応がとても早く非常にクリック感が良いです。
また、底面にあるボタンを押すことで、クリック速度を2 / 4 / 8msから選択可能なので、より自分好みのクリックリズムへカスタマイズすることが出来ます。
ホイール
"光学式24ノッチホイール"
表面のラバーの処理は適切で、滑って操作し辛いなどという事はありません。
スクロール動作自体も軽いです。回したときのノッチ感は1入力ごとに「カタッ」という「音」と「感触」を通して指先に明確に伝わってきます。
FPSゲーム等の操作以外に意識するべきものが多いゲームをプレイしている時等に、この仕様の恩恵を感じることが出来ます。
その代償として、高速でスクロールをすると結構な音量で音が鳴ります。マウスホイールの動作音としてはかなり大きい方です。
サイドボタン
位置は適切で、センサーの真上に配置されています。
多くの握り方で親指の真上に来るようになる為、位置に不満を感じることは無いでしょう。
クリック感はメインクリックと比べて僅かに硬く設定されています。「カチッ」とした明確な入力感があります。
これもクリック時の音は大きめです。
センサー
センサーはPMW3389が搭載されています。
最高性能な部類のセンサーで、スペックは最高DPI16000、IPS400、加速は50Gとなっております。
OUTSET AXではDPI 400 / 800 / 1600 / 3200から選択することになります。
MouseTester
このグラフは時間当たりのマウスのX方向への移動量を表しています。
縦軸は時間当たりに入力されたX方向への数値、横軸は時間です。
"MouseTester"でセンサーが正確に動作しているかをチェックしてみました。
使用したマウスパッドは"SteelSeries QcK heavy"です。
DPI 400 / DPI 800


DPI 1600 / DPI 3200


LOD(リフトオフディスタンス)
LODはLow / Mid / Highを切り替えることが可能です。
- Low : 1.0mm
- Mid : 1.5mm
- High : 2.0mm
初期値は「Low」となっているので、基本的にはそのままで困ることは無いと思います。
ケーブル
パラコードケーブルが採用されています。長さは2.0mです。
XM1で採用されているような細く柔らかいパラコードケーブルを想像していると若干肩透かしを食らいますが、ビニールケーブルよりもマウスパッドとの摩擦抵抗が抑えられていますし、少し硬くて太さはあるものの、取り回しがしやすいです。
マウスバンジーを使用して吊り下げて、マウスパッドとの設置面を極力減らす運用方法がオススメです。
ソール


0.6mmのPTFEソールが貼られています。
エッジの処理もきちんと行われており、所持している数点のマウスパッド上で操作してみた感じ、引っかかりが起きるようなことは無かったです。
形状がBenQ ZOWIEのゲーミングマウスシリーズに採用されているものとかなり似ています。
握り方
このページに僕の手の大きさを記載している為、その数値を参考に記事を読むことをお勧めします。自分で「自分の手のサイズや指を標準であると思い込んでいる人」は意外に多いです。(レビュアーでも)
だから、僕はレビューに必ず自分の手の詳細なデータを記載しています。
かぶせ持ち


マウスの全長が短い事を考慮した握り込み方が許容出来るのであれば、かぶせ持ちとの相性は良いです。
頂点部分がフロント側に近く、テールが切り上げられていてマウス自体の長さが短い上に、高さがある為、かぶせ持ちでフィットさせようと思うと指がはみ出る位に深く握り込む必要があります。
それを考慮してか、メインクリックのフロント部分が丸められていてクリックもし易いです。
また、サイドグリップのフロントからセンターあたりまでが逆台形になっていて、エッジも丸められている為、クリック部分が高い事も相まって、薬指を折ってホールドする場合も、伸ばしてホールドする場合にも、窮屈さや痛みを感じることなく自然にホールドすることが出来ます。
注意点を上げるとすれば、手が大きかったり、指が長い人はこの持ち方はマウスパッドと干渉する可能性が高いという事です。
つかみ持ち


相性は良いです。テールが短い分、手のひらでホールドする位置が限られるので少し窮屈な持ち方になりますが、指の可動域はテールが長い大型のマウスに比べると大きく取れる為、上下の操作性は高いです。
つまみ持ち


つまみ持ちは可能ではあるが、向いていないです。
左右の幅が広く、背が高い上に、テールが薬指側に広がっている為、グリップし辛さを感じます。また、指の可動域がかなり制限されてしまうため、つまみ持ちの特長である指先の繊細な操作を妨げてしまいます。
つまみ持ちをするのであれば、他にもっと良いマウスは多くあります。
コーティング
「OUTSET AX」はマットブラックで、軽く触るとサラッとした触り心地なのですが、少し力を入れるとグリップ力が増します。
今まで触ってきたゲーミングマウスの中で言うなら「EndGameGear XM1」「ROCCAT Kone Pure Ultra」が最も近いコーティングでした。
気になったのは、手の汗や手指の油が付いたものが目立ちやすいこと位です。
「OUTSET AX G」は所持していないですが、前作のNP-01 Gに近いコーティングの様です。
グロッシー系のコーティングは、基本的に通常時は吸い付くような感覚で、手汗をかくと途端に滑ったりヌルついたりするので、特別な拘りが無い限りはマットブラックのコーティングである「OUTSET AX」を選択する方が無難です。
ビルドクオリティ
ビルドクオリティはめちゃくちゃに高いです。ゲーミングマウスでも最高峰のビルドクオリティを誇るZOWIEのマウスと同等だと感じました。
振ってみても、ホイールのみ僅かに部品間の接触する音がしますが、他は全くの無音です。
強く握ってもびくともしないです。
機能性
DPI・ポーリングレート・クリック速度の変更
底面にあるボタンを操作することでDPI・ポーリングレート・クリック速度を変更することが出来ます。
変更幅
DPI : 400 / 800 / 1600 / 3200
ポーリングレート(Hz) : 125 / 500 / 1000
クリック速度(ms) : 2 / 4 / 8
リフトオフディスタンス(LOD)の変更方法
LODの変更方法についてはこの公式の記事を参考にしてください。
レビューしている僕のデータ
プレイしたゲーム
Apex Legends・KovaaK 2.0です。
使用したマウスパッド
SteelSeries QcK heavy
手のスペック
センシ
DPI800
ApexLegends設定1.5 ADS1.0
振り向き17.32cm(ミドルセンシ)
まとめ&オススメ出来る人
良いと思ったところ
- 軽く・返りが良く・保持がしやすいメインクリック
- クリック速度を調節することで自分の感覚にアジャスト出来る
- かぶせ持ち・つかみ持ちに向いた形状ながら縦方向の操作もし易い
- 驚異的なビルドクオリティ
- 価格が安い
イマイチなところ
- ケーブルがパラコードケーブルの中では固め
- ホイールの動作音が大きい