どうも、あぎとろです。
今回はRazerから2020年3月19日より日本で発売されている右手用・左右対称の超軽量ゲーミングマウス「Razer Viper Mini」のレビューをしていきたいと思います。
ファーストインプレッション
Razer Viper Miniは61gと超軽量な右手用・左右対称デザインの有線ゲーミングマウスです。サイズは小型に分類されます。
非常に重要な要件なので文頭にお伝えしますが、他Razer製品と合わせて2021年5月13日を持って価格が『5,280円』から『3,980円』に大幅に値下げされています。この値下げでただでさえコストパフォーマンスが高かった製品がブッ壊れました。買え。
その名の通りViperの形状を概ね継承していますが、サイズは背の高さは僅かに高くなって、長さと幅が短くなっている。
また、右側のサイドボタン2つが撤廃されています。
持ち方については大きく分けるなら、日本人の平均的な手の大きさなら、つかみ持ち・つまみ持ちに適した形状です。
くびれの強い形状は下方向のマウスコントロールを容易にしています。Viperの幅が広かったり、右側のサイドボタンが邪魔だったと感じるのであればフィットする可能性は高いです。
この価格帯でメインボタンに、Razerの上位製品にも採用されているオプティカルスイッチが採用されている所もポイントが高いです。
オプティカルスイッチとは光学スイッチのことで、クリック反応速度の向上と理論上チャタリングが発生しない仕様のスイッチです。
LoD(リフトオフディスタンス)が他製品よりも長いという問題もあるが、ソフトウェアである程度調節可能なので、個人的には許容範囲内に収まっていると感じているが、敏感な人は注意してください。
商品仕様とスペック
製品名 | Viper Mini |
メーカー・ブランド | Razer |
本体デザイン | 右手用、左右対称デザイン |
カラー(コーティング) | マットブラック |
メインスイッチ・ボタンの耐久性 | Razer™オプティカルマウススイッチ、5000万回 |
マウスホイール | ゲーミンググレードのタクタイルスクロールホイール |
リフトオフディスタンス | 項目に詳細 |
センサー | True 8500 DPI オプティカルセンサー |
IPS | 300 |
最大加速度 | 35G |
DPI(デフォルト) | 400 / 800 / 1600 / 3200 / 6400 |
DPI(変更幅) | 200~8500(100刻み) |
ボタン数 | 6(メイン×2、ホイール、サイド×2、DPI変更ボタン) |
ケーブル | Speedflexケーブル(1.8m) |
マウスソール | 100% PTFE マウスフィート(厚さ0.8mm) |
ソフトウェア | Razer Synapse 3 |
ライティング | 1,680万色、Razer Chroma RGBライティング |
長さ×幅×高さ | 118.3 × 53.5 × 38.3mm(グリップ幅:53mm) |
重量(実測値) | 61g(ケーブル含まず実測値:61.70g) |
接続方式 | USB 2.0 / 3.0 |
保証 | 2年間 |
発売日 | 2020年3月19日 |
価格(2021年5月18日Amazon価格) | 3,980円 |
パッケージと内容物
パッケージ
いつものRazerのデザインです。
内容物
- Viper Mini本体
- 取扱説明書、ステッカー
性能と使用感
外観と大きさ
大きさは最長部の計測で「118.3 × 53.5 × 38.3mm」。グリップの幅は53.5mm。メインボタンの可クリック部分の高さは先端が13mm、後端が36.5mm。
部類としては小型に入るゲーミングマウスです。平均から小さめの手に推奨されるマウスです。
右手用・左右対称デザインで、形状を継承しているViper、Viper Ultimateと比較すると右側にあるサイドボタンが撤廃されているため、乗り換え前に愛用していた方は注意が必要です。
Viperから全体的に小型化されている中、高さだけはわずかに高くなっている為、小型マウスにありがちな親指と薬指・小指の置き場所が窮屈になると言ったこともなく、自由にグリップ出来るので非常に扱いやすい形状になっています。
また、サイドシェル中腹のくびれが強く、指の可動域が広く取れるため、下方向へのマウスコントロールがスムーズに行えます。
背の高さはあるもの、高いのはトップシェル中腹だけで、後部はきっちりと下がっている為、つかみ持ち時には適度に手のひらでグリップでき、つまみ持ち時は手のひらへの意図しない干渉もしづらいため、つかみ、つまみ持ちに非常に適正が高い形状と言えるでしょう。
重量測定
公式では61g。実測値は61.70g。
高いビルドクオリティを有しながら、超軽量の部類。
スイッチ
メインクリック
メインスイッチは"Razer™ オプティカルマウススイッチ"が搭載されています。耐クリック回数は5,000万回。
押し面が内側に湾曲しており、この部分は好みが分かれる可能性があります。
非常にバランスの良い仕上がりになっているため、どの持ち方でも誤入力が少なく快適な操作が出来ます。
動作音は小さく静音性に優れています。
クリックのストローク。
ホイール
スクロール、ホイールクリック共に軽め。非常に軽快に動作します。
”ホイールクリックが軽すぎる”という感想を抱く人も居るかも知れません。
スクロールの感触はタクタイル感はあるものの若干薄め。
動作音は、スクロールを高速に行うと音が発生する以外は、クリックも含めて小さめです。
ホイールラバーも程よく指の腹にグリップするため、操作がし易いです。
サイドボタン
位置は適切で、センサーの真上に配置されています。
小型・中型・大型のあらゆる手の大きさでも、容易にアクセス出来ます。
スイッチが細長く、サイドボタン下のグリップ部分のスペースが多く取られている為、グリップ時に親指の配置に困らず、サイドボタンの誤入力の心配をする必要はありません。
サイドボタンが本体から殆ど出っ張ってなかったViper、Viper Ultimateとは形状と配置が僅かに異なっており、Viper Mini用に再設計されています。本体より張り出すように配置が変更されておりViper、Viper Ultimateで不満だったサイドボタンのアクセスし辛さが解消されています。
クリック感は僅かに固めで、動作音は「カチッ」という音が若干大きく鳴ります。
センサー
センサーは"8500 DPI オプティカルセンサー"が搭載されています。
表面にあるDPI変更ボタンを押すごとに設定された5つのDPIがサイクルします。デフォルトではDPI 400 / 800 / 1600 / 3200 / 6400が設定されています。
ソフトウェア「Razer Synapse3」を利用することでDPI 200~8500(100刻み)の間で調節し、保存することが出来ます。
MouseTester
このグラフは時間当たりのマウスのX方向への移動量を表しています。
縦軸は時間当たりに入力されたX方向への数値、横軸は時間です。
"MouseTester"でセンサーが正確に動作しているかをチェックしてみました。
使用したマウスパッドは"Xtrfy GP4"。
DPI 400 / 800 / 1200 / 1600で計測して、結果としては良好。他のゲーミングマウスと比べてもポインターが最高速度に達した時の追従度が高いという結果になりました。
DPI 400 / 800
DPI 1200 / 1600
LOD(リフトオフディスタンス)
マウスパッドからマウスを持ち上げた時に反応しなくなる距離です。当レビューではソールからの距離を掲載しています。
LoDが短ければ良いという評価基準の元判断すると、優秀なもので0.8mmから1mm。1.5mm当たりで普通となります。
シックネスゲージを使用して、ソールからマウスパッドまでの距離をセンサーが反応しなくなる値を計測しました。
マウスパッドは『Xtrfy GP4』、標準で付属しているソールは『0.8mm』
LoDの調節には、Razer Synapse 3の『較正』機能を使用。
- 較正で「デフォルト」を選択している時、2.4~2.5mm
- 較正で「RAZER SPHEX V2」を選択し、『リフトオフ距離』を『1』に設定することで1.9mmまで改善しました。
ただし、較正機能での調整はマウスパッドとの相性がモロに出てしまうので、各自使用中のマウスパッドに合わせて変更する必要がありそうです。
この数値は、現行の主要なゲーミングマウスの中ではかなり長めのLoDです。
ケーブル
パラコードケーブルが採用されています。長さは1.8m。
軽いが柔らかくはないです。XM1rやMM720、Model Oのようなものを想像していると肩透かしを食います。
マウスバンジーをうまく利用すれば操作に殆ど影響は感じないです。
ソール
ソールは"100% PTFE マウスフィート"。厚さは0.8mm。上下に1枚ずつ大きめのものが配置されています。
エッジもきちんと処理されており、品質に問題は感じません。高めのLoDをごまかすためなのか少し厚めのソールが標準で貼られています。それでも足りてないですけども。
マウスに対してのマウスソールの割合面積は広いが、他のゲーミングマウスの標準ソールと比較しても平均的な面積なので、マウスパッドによる摩擦の影響は中程度です。
今ではゲーミングマウスには当たり前のようにPTFEソールが採用されているので、特に言うことはありません。
握り方
結論から言うと、小~中サイズの手に向いていて、「つまみ持ち」に非常に高い適正があります。「つかみ持ち」も十分可能な範囲ですが、「かぶせ持ち」は本来の強みを活かすには不十分なフィット感だと感じました。
ただし、手のサイズが小さめであればかぶせ持ちも可能です。
手が大きければ大きいほど「つまみ持ち」以外への適正が失われるので、自分の手のサイズと持ち方をよく考えて購入しましょう。
このページに僕の手の大きさを記載している為、その数値を参考に記事を読むことをお勧めします。
かぶせ持ち
相性はあまり良くないです。小サイズの手ならフィットする可能性はあります。
高さ自体は確保されていて、トップシェル後部に丸みがあるので、指の腹をベタッと付けて持つだけならば、中サイズの手でも可能です。ただし、かぶせ持ち本来の強みを活かしきれるかと言われると難しいと思います。
サイドボタンへのアクセス自体は手の大きさを問わず容易です。
つかみ持ち
相性は良いです。小~中のサイズの手に適しています。サイドボタンへのアクセスにも問題は無く、違和感なく持てます。
手のサイズが大きい程、適性から外れて窮屈になるかもしれません。
マウスの触れる部分は指先と拇指球あたりになります。
まず、トップシェルが高くなっていて、お尻側に向かって丸く落ちていっています。また、サイドシェルの中腹あたりがくびれていて、お尻側も適度に膨らみがあるので、指先と手のひらでのグリップがし易いです。
つまみ持ち
相性はかなり良いです。小~中サイズの手であればサイドボタンへのアクセスにも問題はなく、非常に扱いやすく違和感なく運用出来ます。
サイドシェル中腹のくびれが強くグリップ幅が狭くなっているので、指先の可動域が広く取れます。
Viper Miniという名の通り小さいボディーなので、中型マウスのつまみ持ちに多い「マウス後部を親指と薬指・小指でグリップ」をしなくて良いというメリットもあります。
センサーの真横をグリップしても、マウス後部が手のひらに接触することが無いので、操作精度を更に高めることが出来ます。
61.70g(実測値)という重量も、疲れにくく、つまみ持ちの適正が高い要因の一つです。
コーティング
乾燥した手で触れるとサラサラとしていますが、手を洗ったり、多少手汗をかいた状態で触れると強めのグリップを感じることが出来ます。汚れも目立たないので、優秀なコーティングだと思います。
よりグリップを求めるのであれば、グリップテープを貼ればより安定します。公式、非公式問わずいくつか選択肢があるので一考の価値あり。
筆者も公式のグリップテープを購入してあるのですが、幅が厚くなるのが嫌なのと、現状不満を感じていないので貼っていません。
ライティング
1,680万色のカラーオプションを備えたRazer Chroma™ RGB ライティングです。
発光部分はRazerのロゴ、テールフットの2箇所で、非常に滑らかに発光します。
ビルドクオリティ
各パーツの組み付け精度が高く、剛性も高いです。
マウスを振ってみても殆ど音はしません。かなり強く降るとマウスホイールが若干カタつくが、通常使用には全く影響は出ません。
ソフトウェア”Razer Synapse 3”
カスタマイズ
ここではプログラム可能なボタンに、キーボードの機能・マウスの機能・感度・デバイスの相互操作・プロファイル切り替え・RAZER HYPERSHIFT・プログラムを起動・マルチメディア・Windows ショートカット・テキスト機能・無効化を割り振ることが出来ます。
Viper Miniの下にある標準のアイコンをクリックするとRAZER HYPERSHIFTを有効化時に表に出てくるキーマップを設定することが出来ます。
RAZER HYPERSHIFTを使用するには、デフォルトのキーマップにRAZER HYPERSHIFTを割り当てる必要があります。
ボタン数の少ない、シンプルなゲーミングマウスでもこの機能を使えば、作業用にショートカットを割り当てるくらいは出来るので大変便利な機能です。
パフォーマンス
ここでは感度・ポーリングレートが設定出来ます。
ステージ数は2~5から選択することが出来、無用であれば感度ステージのチェックを外すことで、DPIを固定することも出来ます。
各ステージ毎に好きなDPIを保存することが出来、キー割り当てでDPI変更を割り当てている場合、ソフトウェアをしなくてもDPIを変更することが出来ます。
感度(DPI)はDPI 200~8500を100刻みで設定可能です。
ポーリングレートは125 / 500 / 1000Hzから選択可能です。
ライティング
ここではライティングの明るさ・オフにするタイミング・Chromaとの連携を設定することが出来ます。
較正
ここでは登録されている、RAZER製のゲーミングマウスパッドとのキャリブレーションプロファイルを選択することが出来ます。
実際に使用しているマウスパッドがRAZERが製でなくとも、変更自体は可能なので選択したプロファイルによってはLoDが改善する可能性があります。
プロファイル
プロファイルの追加と変更が可能です。
また、ゲームやその他アプリ.exeを紐付ける事によってファイル実行時に自動的にプロファイルが切り替わるように設定出来ます。
Viper Ultimateとの形状比較
画像左側がViper Mini、右側がViper Ultimate(Viperと同じ形状)。
幅
長さと高さ
レビューしている僕のデータ
プレイしたゲーム
Apex Legends / Aim Lab / KovaaK 2.0です。
使用したマウスパッド
Xtrfy GP4
手のスペック
センシ
DPI800
ApexLegends設定 1.4 ADS 0.8
振り向き18.56cm(ミドルセンシ)
総評
総評
Viper MiniはViperから引き続き、Razerでも上位モデルに搭載されている”Razer™オプティカルマウススイッチ”を搭載した、右手用・左右対称の超軽量ゲーミングマウスです。
形状は高さ以外の形状をViperから継承した上で小型化が施されていますが、使用感は全く異なります。より小型化されたボディは小~中型サイズの手で「つまみ持ち」「つかみ持ち」をした時に特にフィットするようになっています。
メインボタンは光学式スイッチが採用されており、クリック感・反応速度ともに良好で、ホイールの操作性や、サイドボタンに関しては継承元のViperよりも押しやすく調整されており、アップデートされた部分もあります。
その反面、Viperにあった右側の2つのサイドボタンは撤廃されており、両手用ではなく右手用になっている点に注意しましょう。
筆者的には右側の2つのサイドボタンがマウスコントロール時に指に触れてクリックされてしまうのが感触的に嫌だったのでこれは嬉しい点でもあります。
LoD(リフトオフディスタンス)の長さの問題を抱えていますが、ソフトウェアによってある程度は解消が可能です。LoDに対して敏感な人以外は特に気にする必要はないです。
2021年5月13日の価格改定によって価格がぶっ壊れ、元々コストパフォーマンスに優れた製品だったのが、最強になりました。小型マウスで困ったら取り敢えず選んどけば間違いないです。
良いところ
- 「つまみ持ち」「つかみ持ち」に高い適正がある
- 軽く・反応速度の早い光学式スイッチ採用のメインボタン
- 操作性の良いサイドボタンとマウスホイール
- 61.7gの超軽量
- 100% PTFEソール
- トラッキング精度の高いセンサー
- センサー以外のスペックはRazer上位機種と遜色なしなのにも関わらず超低価格
- Razer Synapse 3による機能サポートやカスタマイズ
悪いところ
- LoD(リフトオフディスタンス)が長い。僕がやった中では初期値で2.5mm、最短1.9mm(最近のゲーミングマウスは大体1~1.5mm当たりが平均値なのでかなり長い)