あぎとろのガジェットBLOG

ガジェットのレビューブログです

【Xtrfy MZ1 RGB レビュー】マウスレビュアーが考えた最強のゲーミングマウス。

f:id:agitoro:20210601025530j:plain

どうも、あぎとろです。

今回はXtrfyから2021年5月27日より日本で発売されている右手用・非対称のゲーミングマウス「Xtrfy MZ1 RGB」のレビューをしていきたいと思います。

 

ファーストインプレッション

Xtrfy MZ1 RGBは超軽量な右手用・非対称デザインのゲーミングマウスです。サイズは小型に分類されます。

世界的に著名なマウスレビュアーであるRocket Jump Ninja氏がデザインしたゲーミングマウス。いわゆる、マウスレビュアーが考えた最強のマウスって感じの商品です。こだわりを詰め込んだだけあって、かなりクセのある形状をしています。

商品仕様とスペック

製品名 MZ1 RGB
メーカー・ブランド Xtrfy
本体デザイン 右手用、左右非対称デザイン
カラー(コーティング) ブラック(スケルトン)
メインスイッチ・ボタンの耐久性 Kailh GM 8.0
センサー Pixart 3389
IPS 400
最大加速度 50G
DPI(デフォルト) 400 / 800 / 1200 / 1600/ 3200 / 4000 / 7200 / 16000
ポーリングレート 125 / 500 / 1000 Hz
デバウンスタイム 2 / 4 / 8 / 12 ms(4ms以上が推奨値であり保証対象)
リフトオフディスタンス 0.8mm以下
ボタン数 6(メイン×2、ホイール、サイド×2、機能ボタン)
ケーブル Xtrfy EZcord Pro
マウスソール PTFE
ソフトウェア なし
ライティング 調整可能なRGB LED
長さ×幅×高さ 111 × 52.5 × 36.5mm(グリップ幅:52.5mm)
重量(実測値) 59g
接続方式 USB 2.0 / 3.0
保証 1年間
発売日 2021年5月27日
価格(2021年6月4日楽天市場価格) 11,297円

パッケージと内容物

パッケージ

f:id:agitoro:20210601025305j:plain
f:id:agitoro:20210601025309j:plain
f:id:agitoro:20210601025312j:plain
f:id:agitoro:20210601025316j:plain

パッケージはXtrfyらしく、シンプルながらアクセントとして虹彩があしらわれています。

f:id:agitoro:20210601025320j:plain

中も非常にシンプル。今回はXtrfy製品によくある"Xtrfy"や"GG"と印字されたキーキャップは付属していないようです。

使ってないけど若干期待していたので少しガッカリ。

内容物

f:id:agitoro:20210601025402j:plain

  1. MZ1 RGB 本体
  2. 予備のソール
  3. 取扱説明書、ステッカー

性能と使用感

外観と大きさ

f:id:agitoro:20210601025354j:plain
f:id:agitoro:20210601025358j:plain

大きさは最長部の計測で「111× 52.8 × 36.5mm」。グリップの幅は52.8mmメインボタンの高さは20mm。

部類としては超小型に入るゲーミングマウスです。シェルには全体的に無数の丸い穴が空いていて、いわゆるハニカム構造になっています。

表面から見ると、左右対称のような印象を受けますが、裏面から見ると左右非対称のシェイプが良く分かります。

特に、左側(親指側)中腹が内側に湾曲していて、縦の傾斜も強くなっています。

 

f:id:agitoro:20210601025323j:plain
f:id:agitoro:20210601025327j:plain
f:id:agitoro:20210601025331j:plain
f:id:agitoro:20210601025334j:plain
f:id:agitoro:20210601025338j:plain
f:id:agitoro:20210601025342j:plain
f:id:agitoro:20210601025345j:plain
f:id:agitoro:20210601025349j:plain

左側の親指を配置する部分、右側の薬指と小指を配置する部分、上側の手のひらを配置させる部分、メインボタンの部分は穴が空いていない事から、グリップの強度を考慮されていることがわかります。

一般的につまみ持ちやかぶせ持ちをする場合に手に接触する、センサーの右側やトップシェルの後部には穴が空いている為、かなり好みが分かれるだろうという印象です。

重量測定

f:id:agitoro:20210601025610j:plain

公式では56g(ケーブル除く)。実測値は60.01g

ですが、写真では予備として付属しているセンサー周りのソールを貼り付けて、マウスの両サイドとメインボタンに面積は小さいながらもグリップテープを貼り付けている状態で計測したので、カスタム前の重量とは数g程度の誤差があります。

スイッチ

メインクリック
f:id:agitoro:20210601025417j:plain
f:id:agitoro:20210601025425j:plain

メインスイッチは"Kailh GM 8.0"が搭載されています。クリック耐久は公式サイトには明記されていませんが、マイクロスイッチ自体のスペックはこちら。

クリック荷重:55-60g、8000万回耐久となっています。

クリックに必要な押下圧は少し重めです。クリックは反応が良く、浅く、返りも良いので好みにハマれば問題無いでしょう。

ロジクールのゲーミングマウスに採用されているような押下圧の低いオムロンのスイッチや、Razerのオプティカルマウススイッチに慣れていると、かなり重く感じ可能性があります。それらから乗り換える場合は注意が必要です。

動作音は大きく、大きめにカチッという事が鳴ります。

形状がなかなか特殊で、長細い上に内側に湾曲しているのが特徴です。レールの様になっていて、指を添わせるように配置する事ができるように設計されている様です。

f:id:agitoro:20210601025257j:plain
f:id:agitoro:20210601025301j:plain

画像を見ればクリックがかなり浅いことが分かります。

ホイール

f:id:agitoro:20210601025421j:plain

スクロールは軽く、ノッチ感はかなり薄いのでフィードバックはあまり得られません。動作時の音も殆ど鳴りません。

配置がかなり前側になっています。浅く持つと指が届かないです。

クリックはスクロールと比較すると少し重く、動作時にカチッと音が鳴ります。

若干、スクロールとクリックがアンバランスですが誤作動が少ないという点では良好と言えるでしょう。M4でもM42でもこの調整だったので、Xtrfyのマウス共通のものかも。

サイドボタン

f:id:agitoro:20210601025409j:plain

位置は適切で、どの手の大きさでもアクセスに困らない場所に配置されています。

クリック感は柔らかめで反応点までは浅いですが、ストロークは長めで少しフニャついています。指を離した時の返り自体は良いです。

動作音は小さめで、カチッと鳴ります。

機能ボタン

f:id:agitoro:20210601025413j:plain

通常のゲーミングマウスだと、DPI変更ボタンとして利用されるボタンです。MZ1では裏面にある機能切り替えスイッチと組み合わせることで様々な機能を操作することに利用するボタンとなっています。
操作できる機能は以下の通り、ライティング・ポーリングレート・LoD(リフトオフディスタンス)・F11モード・デバウンスタイム
f:id:agitoro:20210603135326j:plain
f:id:agitoro:20210603135322j:plain

センサー

 

f:id:agitoro:20210601025250j:plain

センサーは"Pixart 3389"が搭載されています。現状最高性能のセンサーです。

底面にあるDPI変更ボタンを押すごとに設定された8つのDPIがサイクルします。デフォルトではDPI 400 / 800 / 1200 / 1600 / 3200 / 4000 / 7200 / 16000が設定されています。

DPIが切り替わるごとにDPI変更ボタンの上にあるLEDインジケーターが対応した色に点灯するので、現在選択しているDPIが分かりやすいです。

MouseTester

このグラフは時間当たりのマウスのX方向への移動量を表しています。

縦軸は時間当たりに入力されたX方向への数値、横軸は時間です。

"MouseTester"でセンサーが正確に動作しているかをチェックしてみました。

使用したマウスパッドは"Logicool G 640r"。

400 / 800

f:id:agitoro:20210604114750j:plain
f:id:agitoro:20210604114753j:plain

1600 / 3200

f:id:agitoro:20210604114756j:plain
f:id:agitoro:20210604114747j:plain

センサーの精度は良好で、問題無さそうです。

LOD(リフトオフディスタンス)

マウスパッドからマウスを持ち上げた時に反応しなくなる距離です。当レビューではソールからの距離を掲載しています。

LoDが短ければ良いという評価基準の元判断すると、優秀なもので0.8mmから1mm。1.5mm当たりで普通となります。

シックネスゲージを使用して、ソールからマウスパッドまでの距離をセンサーが反応しなくなる値を計測しました。

マウスパッドは『Logicool G 640r』を使用。

計測の結果は1mmでした。これはLoDを『低』に設定しているときの数値で、『高』に設定することで3mmまで長くなりました。

LoDは基本的に短いほうが良いので、デフォルトの『低』でOKでしょう。

この数値は、現行の主要なゲーミングマウスの中では優秀なLoDです。

ソール

f:id:agitoro:20210601025242j:plain
f:id:agitoro:20210601025245j:plain

ソールは"PTFE"。なめらかな滑りが特徴です。

エッジがしっかり丸められておりどの方向にもスムーズに滑ります。他のゲーミングマウスよりも厚めのソールが貼られています。

ソールが沈み込まないので滑りすぎると感じる可能性もあります。

握り方

結論から言うと、僕的には「かぶせ持ち」と相性が良いです

 

このページに僕の手の大きさを記載している為、その数値を参考に記事を読むことをお勧めします。

かぶせ持ち
f:id:agitoro:20210601025523j:plain
f:id:agitoro:20210601025527j:plain

小型のマウスながら、相性はかなり良いです。小~中サイズの手なら違和感なく持てます。

どの手のサイズでもサイドボタンへのアクセスに困らない持ち方です。

かぶせ持ちでの運用を前提として設計されていると感じる点が幾つもあります。
1つ目は両サイドのグリップポジションが穴の有無によって指定されていることです。
親指側はセンサーの真横。薬指・小指側はセンサーの真横ではなく、かぶせ持ちをした時に指が当たる場所。をそれぞれ穴を塞いでグリップを強化されています。
2つ目はメインボタンの内側への湾曲。これは人差し指と中指をメインボタンに沿うようにベッタリと這わせることに適した形状になっています。
3つ目はトップシェル後部の最も高さがある部分ではなく、人差し指と中指の根本を被せる部分の穴が塞がれている事でグリップが強化されている点です。
これも、人差し指と中指をメインボタンに這わせた流れで指の根本でマウスをホールドすることを容易にする機構です。
以上のことから、設計者の意図はかぶせ持ちを想定している事が分かります。
実際使ってみてもかぶせ持ちが1番安定します。逆に言えばそれ以外の持ち方がし辛いと感じました。
また、左側のサイドシェルの中央部がかなり角度が付いて、内側へ湾曲しているので、マウスを持ち上げる時に役立ちます。
注意するべきなのは、ホイールの配置です。ホイールの位置がかなり前側にあるので、浅めに被せると指が届きません。
本体のコーティングが滑りやすいため、安定させるならグリップテープを貼り付けることを推奨します。
つかみ持ち
f:id:agitoro:20210601025534j:plain
f:id:agitoro:20210601025538j:plain

相性は良いです。小~中サイズの手に適正があります。サイドボタンへのアクセスにも問題は無いです。

ただ、掴んだ時に手のひらの手首側でマウスをホールドしようとしても、大きな穴が複数空いていて十分なグリップが得られない可能性があります。
また、右側の薬指と小指を配置するセンサー真横あたりにも大きな穴が空いている為グリップが良くないです。
更に、左側の親指を配置する面積には穴は空いていませんが、傾斜がかなり強くついていて、左右から挟み込んだり、親指で微調整をした時に高い確率でグリップがズレます。左に手首で振った時に、親指がマウスパッドに触れてマウスが浮く可能性あります。
この持ち方をするなら、グリップテープでの補強を推奨します。
つまみ持ち
f:id:agitoro:20210601025542j:plain
f:id:agitoro:20210601025545j:plain

相性は悪くないです。中~大サイズの手であればサイドボタンへのアクセスにも問題はなく、違和感なく運用出来ます。

軽量なので疲れにくく、細かな調節も効きやすいです。
他の持ち方と同じく左側の傾斜が影響して、親指で微調節をしたり、少し力を入れてグリップすると、指先の位置がズレて事故りやすいです。
また、ホイールの位置がかなり前側に配置されているので浅く持つと指が届かない可能性があります。
この持ち方をするなら、グリップテープでの補強を推奨します。

コーティング

f:id:agitoro:20210601025430j:plain

少し滑りやすいと感じます。僕的にはグリップテープは必須。

そもそも、大きめの穴が大量に空いているので、穴が空いている部分のグリップは最悪です。

ビルドクオリティ

普通に使用している分にはもちろん問題有りません。許容範囲内です。

振ってみると、中で小さなものがカチャカチャ動いている音がします。それ自体は特に問題は感じません。

一番不安を感じるのは左右のグリップ部分を少し力を入れてグリップした時にメシメシと音が鳴るのに加えて内側にしなる事です。全力で握ったらおそらく割れる気がする。

vaxee、ZOWIE、Logicool G、Razerあたりだとまずありえないです。

軽量化による代償なのは明らかですね。60gかつワイヤレスのG Pro Xはこうはなってないですけど。

機能性

裏面の切り替えスイッチ

f:id:agitoro:20210601025253j:plain

裏面に配置されている切り替えスイッチを切り替えながら、表面にある機能ボタンと各ボタンを組み合わせることで様々な機能を設定することが出来ます。

ライティング

f:id:agitoro:20210603140759j:plain

f:id:agitoro:20210603135330j:plain
f:id:agitoro:20210603135335j:plain

グリップテープ貼ってみた

f:id:agitoro:20210603135342j:plain
f:id:agitoro:20210603135339j:plain

全体的にグリップが不安なのでグリップテープを貼ってみました。使用したのはアーキサイトさんが日本代理店として発売しているLizard Skinsのグリップテープ。

特に、左側の親指を配置する部分の傾斜がキツすぎてつるつる滑るのでペタリ。次に右側の薬指を配置する部分にペタリ。ここが滑るとどうしようもないので。

本当は、センサー真横の穴あいてる部分を塞ぎたかったのですが、それでは本末転倒なので我慢しました。

レビューしている僕のデータ

プレイしたゲーム

Apex Legends / Aim Lab / KovaaK 2.0です。

使用したマウスパッド

Xtrfy GP4 / BenQ ZOWIE G-SR-SE / Logicool G 640r

手のスペック

手長(手首のしわより):189mm
手掌長第1指:80mm
手掌長第2指:105mm
手掌長第3指:110mm
第1指長:70mm
第2指長:75mm
第3指長:80mm
手幅:89mm
項目名や測り方は以下のサイト様より

センシ

DPI800

ApexLegends設定1.6 ADS0.8

振り向き16.24cm(ミドルセンシ)

総評

f:id:agitoro:20210601033725j:plain

総合的なスペックはとても良いです。
実測値60g前後で超軽量、メインスイッチは評価の高いKailh GM 8.0、センサーはPixart 3389、ケーブルは柔らかく摩擦抵抗が少ないパラコードケーブル、操作性の良いホイール、ソフトウェアが無いながらも細かく設定できるライティングやセンサー性能、クリックデバウンスタイムは有線ゲーミングマウスとしてはフルスペックと言えます。
ただし、細かくDPIを調節することが出来ないこと、ビルドクオリティがイマイチなこと、ホイールの配置が前側過ぎること、ハニカム構造な上に穴が大きく空いている箇所が左右非対称で癖が強いことが気になるデメリットとなっています。
特に穴とホイールの配置に関しては、デザインを担当した方のこだわりを押し付けられている感じがあってかなり人を選ぶゲーミングマウスです。
かぶせ持ち以外の持ち方を考慮されておらず、「このマウスを使いたければこう握れ!!!」それ以外の持ち方をするなら、グリップテープでカスタムした方が良いと言われているように感じました。
また、有線マウスとしては稀有な1万円超えの超強気な価格設定が気になります。
よっぽどこの形状のフィット感が気に入るか、デザインを担当した彼のファンか、好奇心によっての購入なら後悔はしないでしょう。

良いところ

  • 約60gの超軽量ボディー
  • クリック可能領域の広くフィードバックがあるクリック感のメインボタン
  • 柔らかく摩擦抵抗の少ないケーブル
  • 滑りの良いPTFEソール
  • ソフトウェアが無いにも関わらず豊富なカスタマイズ要素

悪いところ

  • 形状、コーティング、スイッチ類の配置から、かなり持ち方を強要される
  • ビルドクオリティが他のメジャーなものと比べるとイマイチ
  • クリックの重さと超軽量のコンセプトが一致していない
 
今回はXtrfy MZ1 RGBのレビューをしてみました。気になったという方は、商品リンクから購入していただけると嬉しいです。
ここまで記事を読んでいただきありがとうございました。
▼今回レビューした「Xtrfy MZ1 RGB」